5月14日に開幕したサッカー全国選手権一部セリエAは、2カ月も経たない内に全日程のほぼ3分の1にあたる13節を消化した。
首位に立つのはパルメイラスで、19歳の新星ガブリエル・ジェズースが10得点の活躍でチームを牽引している。
昨年のブラジル杯優勝の余勢を駆って今年の大躍進を目論むも、サンパウロ州選手権とリベルタドーレス杯では調子が出ず、マルセロ・オリヴェイラ氏を解任。後任のクーカ氏が残りの州選手権とリベルタドーレス杯の試合を上手くチームの調整にあて、全国選手権開幕後は絶好調だ。
リオ五輪のため、ガブリエル・ジェズースとベテランゴールキーパーのプラッスを代表に取られて最大6試合欠くことになる7月半ばから8月が正念場だが、そこで大崩れしなければ、優勝候補の筆頭だ。
パルメイラスに勝ち点差3で2位に位置する、昨年優勝のコリンチャンスは開幕前、レギュラー6人を中国やフランスリーグのチームに引き抜かれたが、名将チッチが補強戦力をまとめ上げて上位を保っていた。
だが、遂にそのチッチがコパ・アメリカで惨敗したセレソンの建て直しのために代表監督に取られ、7人目のレギュラー選手もポルトガルのチームに移籍した。
新監督のクリストヴァン・ボルジェスはここまで、チッチの遺産を上手く使いこなしているが、やはりレギュラー7人が抜けた今年は去年とは勝手が違い、連覇は厳しそうだ。
昨年2位のアトレチコ・ミネイロは、開幕から調子が出ずにいたが、フルミネンセから元セレソンのフレッジを補強、ここから調子を上げてくるか。
昨年のブラジル杯では準優勝し、今年のサンパウロ州選手権でも連覇を達成したサントスは、コパ・アメリカの代表に3人、リオ五輪にも若いメンバーが3人取られ、好チームであるが故のハンディに苦しんでいる。それでも首位と6ポイント差の4位につけており、五輪代表が不在の間に崩れなければ優勝争いもあり得る。
残り5カ月で25節を消化する過密日程。五輪の後も、ワールドカップ予選での主力不在や、欧州や中国チームの横槍で戦力ダウンの危険性など、道のりは平坦ではない。12月初旬にトロフィーを掲げるのは果たしてどこか? (規)
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