【既報関連】リオ五輪開幕まで残り1カ月となった7月5日、法務省はリオ五輪警備に当たる国家治安部隊(FN)の人員を6千人とすることを確認したと6日付伯字各紙が報じている。この数値は、1年前に法務省が推計した9600人を下回る。
当初の見込みを下回るFN動員数の発表は、エドゥアルド・パエス・リオ市長(民主運動党・PMDB)が「リオ州の治安問題への取り組みは酷いものだが、五輪期間中は他の機関からの応援が見込めるからまだまし」と強く批判した翌日の事だった。
リオには既に1500人のFNが入っており、5日から五輪の競技施設の警備を始めた。他州からの増援3500人も適宜リオ入りすると、アレシャンドレ・モラエス法相は見ている。
モラエス法相は前職でサンパウロ州保安局長を務めており、サンパウロ州からのFN要員として、軍警1千人を増員するとの約束をとりつけた。「FNは期待される職務を果たすために充分な人員を揃えた」とモラエス法相は語る。6500人全員が揃うのは23日となる見込みだ。
FNを構成する警官や消防士は、FNへの参加登録を行う他、各州からの派遣許可が必要だ。参加している任務の延長が必要な時は、延長許可が必要となる。
国内各地での治安の悪化や、有権者の反対を恐れ、FNへの人員派遣をためらう州知事もいたことが、予定の9600人に達しなかった要因だ。
モラエス法相は「(国内外の)全ての諜報機関は協力して任務に当たっている。当面はブラジルがテロの標的になる可能性はないが、最大限に警戒する」と語った。この発言に対し、国連テロ対策委員会事務局長のジャン・ポール・ラボルデ氏は、「ブラジルがテロの標的になりにくいという理論は成立しない。五輪はテロ組織にとって、力を誇示するのにもってこいの舞台だ」と警鐘を鳴らした。
リオ五輪には、軍警、市警、連警、防災局担当者ら4万7千人と、3軍の兵士3万8千人の総計8万5千人の警備要員が動員される。
4日夜、同市の主要道路、ブラジル大通りを移動中のFN車両がギャング同士の抗争に巻き込まれて銃撃されたが、隊員に負傷者は出なかった。
▼国家治安部隊(フォルサ・ナシオナル・ジ・セグランサ)とは
ブラジル全州から選抜された市警、軍警、消防で構成される組織で、ブラジリアの連邦警察で特別な訓練を受ける。
法務大臣の指揮下に入り、現在全州に9600人の人員がいる。五輪期間中は競技設備の警備、リオ市内警備に当たる。
2004年に結成されたFNは警察のストや、刑務所での暴動発生の際にそれぞれの州からの要請で、これまでに100回ほど出動している。
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