ローマ法王フランシスコは6日、パライバ州都ジョアン・ペッソアの大司教を04年から務めていたアウド・ジ・シッロ・パゴット大司教(66)の辞表を受理したと7日付伯字紙が報じた。
パゴット元大司教は3年前から、他教区から追放された少年神学生を自らの教区に受け入れ、自らの性的欲求を満たした容疑で訴えられていた。小児性愛嫌疑によるブラジル人司教辞職は初めてだ。
パゴット元大司教への嫌疑は13年、ガラニュンス司教区担当だったフェルナン・ジョゼ・モンテイロ・ギマラエス司教(現在はブラジル軍教区大司教)が捜査した。報告書を受け取ったカトリック本部ヴァチカンは、パゴット元大司教による神父任命や、新しい神学生受け入れを禁じた。
ヴァチカン・ラジオは、パゴット元大司教の辞任は「病気その他の重大な理由で任務を果たせなくなった司教は辞任しなければならない」と定めた教会法に基づいて承認されたとしている。
ヴァチカン本部は、ペルナンブーコ州パルマレスのサライバ・デ・フランサ名誉司教を臨時の教区管理者に任命した。同司教は、大司教の辞任は他の司教達の名誉を傷つけはしないと語った。
少年神学生への性愛罪の他に、パゴット大司教は15年に18歳の男性と性的関係を持った件で告発されていた。同大司教は同件を否定し、告発者を逆告訴している。
パゴット元大司教は自身がパニック障害を患っている事だけを明らかにし、関係者への公開書簡を発表した。書簡には、追放された神学生や神父を受け入れていたのは人生の新たなチャンスを与えるためだった事、彼らに信頼を置きすぎたのは誤りだったと悔やむ内容が書かれていた。元大司教は小児性愛疑惑には明確に答えず、「インターネットは不確実で信用に値しない言論を拡散している」とも語っている。
02年に米国ボストングローブ紙が、ボストンの神父達が200人もの少年神学生を辱め、それを隠匿したと報じて以来、神父による小児性愛が世界的に問題化した。同件を扱った映画「スポットライト・世紀の告発」は今年のアカデミー賞作品賞を受賞した。