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7日、辞任を正式発表したエドゥアルド・クーニャ下院議長(Marcelo Camargo/Agência Brasil)
7日、辞任を正式発表したエドゥアルド・クーニャ下院議長(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

クーニャ下院議長が辞任=議員罷免が目前の状況で=最後までジウマへの恨み節=LJの捜査でも追い込まれ

 7日、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)が連邦議会で辞任を発表した。ラヴァ・ジャット作戦(LJ)では既に2件で被告となっており、5月5日には最高裁で下院議長職停職となった上、下院倫理委員会からも罷免が妥当との判断を受けてもなお、抵抗し続けて来た同議長だが、遂に白旗をあげた。7日付伯字紙サイトが報じている。

 下院の緑の間に現れたクーニャ議長は、辞任に至った経緯を、持参した紙を読んで説明した。
 それによると、「ジウマ大統領の下院での罷免審議を進めてしまったことで高い代償がついた」とし、それにより「5月5日は、憲法による正当性も何もないままに停職に追いやられてしまった」と語った。
 クーニャ議長は昨年12月初旬、LJで暴かれた国外の隠し口座に関して偽証した罪を問われた下院政治倫理委員会で、「議員罷免の審議を進める」との決定が労働者党(PT)議員の票が後押しとなって決まった際、クーニャ氏は「大統領の陰謀だ」とばかりに、ジウマ氏の罷免審議を進めていた。
 ジウマ氏の罷免手続きは当初、「クーニャ氏による復讐」と解釈され、支持を受けなかった。だが、今年2~3月にルーラ前大統領が高級住宅を介した収賄疑惑で逮捕目前まで行き、逮捕逃れと見られる疑惑の官房長官就任劇が起きたことで国民の怒りを買い、形勢が一気に逆転。これにより罷免審議が急速に進み、4月17日にクーニャ氏が議長を務める中、下院本会議でのジウマ氏罷免審議継続が決まった。
 だが5月5日、かねてからあったLJ関与の疑惑に加え、下院倫理委員会での自身の議席剥奪審議の妨害工作疑惑などにより、テオリ・ザヴァスキ最高裁判事がジャノー検察庁長官の請求を受け入れ、クーニャ議長の停職を命じた。さらに、直後に行われた最高裁の本審理でも11―0の大差で停職が支持された。
 クーニャ氏は直接の辞任の理由を「自分の停職後、下院が混乱してしまったことへの引責」と結論付けた。
 収賄疑惑とスイスの隠し口座所持疑惑で、LJで2件の被告となったクーニャ氏は、下院倫理委員会からも6月に「罷免が妥当」との判断を出され、8月にも下院本会議で罷免決定と見られていた。LJの捜査は妻や娘にも及んでおり、彼女たちの逮捕も有力視されていた。
 クーニャ氏の辞表は既に下院書記に手渡されており、下院本会議で朗読後に下院の日報に公示される。後任議長選出は、ヴァルジール・マラニョン下院議長代行の指揮の下、最大5回の本会議(各本会議は51人以上の出席が必要)の間に行われる。