9日、アメリカのラス・ヴェガスで総合格闘技のUFCの大会の一つであるUFC200が開催され、ここでブラジル人の新王者が一気に2人も誕生した。
ひとりは男子フェザー級のジョゼ・アウドだ。アウドが王座に就くのははじめてではない。彼は2011~14年に7度の防衛に成功して、その名を広く知られていた。
アウドはこの日、チャンピオンが空位になっていた同級の暫定チャンピオンの座をかけ、フランキー・エドガー(アメリカ)と対戦したが、試合を優位に進めたアウドは3―0の大差で判定勝ちし、王者に返り咲いた。
アウドの次の試合は、15年12月に1ラウンドKOで彼に勝ってタイトルを奪ったコナー・マクレガー(アイルランド)との雪辱戦が期待されているが、実現するか否かは、所属階級を上げたがっているマクレガーの気持ち次第となる。
ここ数年、ロンダ・ラウジー(アメリカ)が空前の人気を巻き起こしたこともあり、UFCの中でも人気の種目となっていた女子は、ブラジル期待のアマンダ・ヌーネス(28)が制した。
相手はミーシャ・テイト(アメリカ)。それまで無敵だったラウジーを15年11月に下して王座についていたホリー・ホルムを今年の3月に下して王座についていたテイトは、ラウジーを2度苦戦させた選手としても知られ、打倒ラウジーの一番手とも目されていた強敵だった。
だが、アマンダはそんな難敵にも全くひるまなかった。試合開始早々、テイトの顔面をパンチで流血させたアマンダは、逃げるテイトをパンチで追い詰めた後、締め技を決め、第1ラウンド3分16秒にKO勝ちした。この種目でブラジル人が王者につくのは初めてだ。
アマンダは試合後のインタビューで、「今日、この試合に勝つために、辛抱の限界まで練習して来たわ。そして、それを果たしたまでよ」と冷静に受け答えた。
さらに「次はラウジーと戦いたいか」と問われると、「協会側が用意する対戦相手と戦うだけ」と謙虚に答えた。
しかしアマンダは、彼女がUFCではじめてとなる同性愛を公言したチャンピオンになったことに触れられると、「信じられない気分よ」と強く喜びを表現した。(10日付オ・グローボ・サイトより)