ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 遅れる地下鉄5号線工事=未使用26車両保証切れに=不適切行政と検察が告発
延伸工事を視察するジェラウド・アウキミン聖州知事(Edson Lopes Jr/A2)
延伸工事を視察するジェラウド・アウキミン聖州知事(Edson Lopes Jr/A2)

遅れる地下鉄5号線工事=未使用26車両保証切れに=不適切行政と検察が告発

 サンパウロ州検察局は、サンパウロ市地下鉄公社(メトロ)と9人の関係者を相手取り、2011年に地下鉄5号線用に6両編成で26台の車両を6億1500万レアルで購入したにも関わらず、運行使用していないのは不適切行政だと告発したと12日付伯字各紙が報じた。
 告発されたのは、クロドアルド・ペリシオーニサンパウロ州都市交通局長、ジュランジール・フェルナンデス元同局長、パウロ・メネゼス・フィゲイレド、メトロ総裁らだ。メトロ側は不正を否定している。
 マルセロ・ミラニー検察官によると、CAFブラジル商工会社と結ばれた購入契約は11年7月付だが、地下鉄5号線の延伸工事は当時、工事請負業者選定の入札で不正があったとしてストップしていた。多額の公費を投じて購入された車両は利用されず、公庫に損害を与えたとしている。
 同検察官は、購入車両は運行開始前に保証期間が切れ、またあらたな整備と検査が必要だとし、「最低でも購入価格と整備費の公金損害が出ている。大失態だ」と語る。同検察官は、不適切行政を理由に、5年間の政治活動停止と、公庫に与えた損害額と罰金とを合わせて7億9900万レの弁償を求めている。
 最初の車両が納品されたのは13年10月だった。サンパウロ市南端のカポン・レドンド駅から伸びる5号線は、2014年までにラルゴ・トレーゼ駅から11駅延びて1号線や2号線とも接続する予定だったが、実際はわずか1駅(アドルフォ・ピニェイロ駅)伸びただけで、完成予定も2018年に延期されている。
 購入車両の車輪の間隔は他の線(1、2、3号線)用より狭く、他の線に転用する事も出来ない上、5号線の線路の一部は購入車両の車輪間隔より広い。「5号線とさえゲージの合わない車両を購入した事に至っては、馬鹿げているとしか言いようがない」とミラニー検察官は語る。
 前記の3人以外の告発対象者は、契約締結時のメトロ総裁のセルジオ・アヴェレダ氏や5号線延伸計画部長のラエルシオ・マウロ・ビアゾッチ氏、設計計画責任者のダヴィ・トゥルブキ氏、ならびにセルジオ・アヴェレダ氏の後任のジョルジ・ファガーリ、ペテル・ウォーカー、ルイス・アントニオ・パシェコの各氏だ。