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激増する連邦政府の債務=貯蓄銀の立替12億レに

 連邦貯蓄銀行(Caixa)は、国の社会政策費12億レアル分の支払いを受け取れないまま上半期を終え、国家総弁護庁(AGU)に仲介を依頼したと12日付エスタード紙が報じた。
 同行は連邦政府を唯一の運営主体とする銀行で、生活扶助(ボウサ・ファミリア)や学生融資基金(Fies)、失業保険など、12種類の社会政策関係費を払い出している。これらの経費は国が支払うべきものだが、未払い額が12億レに膨れ上がっている。
 遅れている支払いには15年より前のものも含まれており、今年も、ジウマ政権、テメル暫定政権の双方で累積額が増えている。未払い分はまだ同行の自己資金の中で賄われ、別の融資を必要としていないため、連邦会計検査院(TCU)は同件を、ジウマ大統領への罷免請求の理由の一つとされたペダラーダ(粉飾会計)とは別の「債務不履行」として扱う。
 テメル暫定政権は、銀行への負債解消のため、27億レの追加融資案を連邦議会に提出済みで、承認され次第、清算する意向だ。連邦議会には61億レの追加融資案も提出されている。連邦政府は計88億レの追加融資により、銀行関係の未払い金と共に、国連などの国際機関への負債や、経済活性化計画(PAC)に伴う事業の未払い分も清算する考えだ。
 これらの追加融資は、テメル暫定政権が発足直後に議会に提出した、基礎的財政収支の黒字目標を1705億レの赤字とする案にも既に盛り込まれている。
 TCUは全ての負債や未払い金の清算を命じており、ジウマ政権は昨年、14年の粉飾会計で558億レ、15年の粉飾会計で166億レ、15年の債務不履行分で15億レを支払ったが、それでも未払い額が膨れ上がっているのが実情だ。