サンパウロ市中央部、サンジョアン大通りとアパ街の交差する地点にあり、40年に渡り放置され、余りの老朽化から「80年はそのままなのでは?」とも噂されてきた城型の建築物が修復工事され、再利用される見込みだと13日付フォーリャ紙が報じた。
1937年5月12日、家族で営んでいた商売を巡る口論の後、当時45歳だったアウヴァロ・セーザル・ドス・レイス氏と弟のアルマンドさん(当時42)、母親のマリア・カンジダさん(同73)が、死体となって発見された。警察は当時、アウヴァロ氏が弟と母親を殺した後に自殺したと判断した。
その時から、「アパ街の小さなお城」と呼ばれた建物の所有権は連邦政府に移った。この城は相続争い後、放置され、不法侵入された上、ONGの本部になったりと所有者が変遷、またレイス氏の幽霊が出るなど、超常現象が起きるといった噂も呼んだ。
この〃お城〃も、長きに渡る声に押され、改修工事後、10月に再オープンする事になった。総額280万レアルの改修コストは、老朽化した歴史的建造物や芸術品への修繕のために資金を提供することを目的とした拡散利益基金(FID)からの資金で賄われた。
300平方Mほどの建物は、修繕技師が「元々家だった事が辛うじて分かる程度の代物」と呼ぶほど老朽化していた。
作業中に何者かが出入りしている気配を感じている事は珍しくないという。「夜中に変な音を聞くって話もあるけれど、俺だって怖いからそんな時間までいない。だからその変なものが何かなんて聞かないでくれ」とある石工は笑いながら語っている。