リオ五輪開幕まで20日余りとなったが、リオ五輪・パラリンピック組織委員会(Rio2016)が連邦政府に求めていたリオ五輪開閉会式への資金援助交渉は物別れに終わったため、同委員会はエネルギーやガソリンといった現物支援も含めた交渉に方針を切り替えたと13日付エスタード紙が報じた。
11日にロイターが報じたところによると、政府の開閉会式資金援助拒否により、最終的に約5億レアルの赤字が発生する見込みだという。
入場料収入、スポンサー料ともに当初の見込みを下回った事で、五輪組織委は先月から、連邦政府に公費で開閉会式の費用の一部を賄うように要請してきたが、その道は頓挫した。
新たな戦略として同委員会は、資金援助の代わりに現物支給を求めている。近日行われている交渉では、ブラジル日産が提供した4200台の車両運用時のガソリン、選手村や競技施設の電力などを融通するよう政府に求めている。
ブラジル日産による、同委員会への車両4200台の贈呈式は11日午後、リオ市中心地にあるサンバ会場(サンボードロモ)内のアポテオージ広場で行われた。
式では、ブラジル日産社長のフランソワ・ドッサ氏と、シジネイ・レヴィ同委員会局長が、元女子バスケットボールブラジル代表として96年アトランタ五輪銀メダリストのオルテンシア・マルカリ氏にシンボルキーを贈呈した。
同社から提供された車両は主に招待客や選手、代表選手団の移動に使われる。「ブラジル代表選手団の移動には電動式日産ラーフ(車種)を使う」とフランソワ社長は語った。リオ五輪・パラリンピック用には、ラーフ以外にも、マルシャ、ヴェルサ、セントラ、ピックアップタイプのフロンティアなどが提供された。車両を実際に運転するのは750人のボランティアドライバーだ。
リオ五輪公式カーに選ばれた、スポーツ用多目的車(SUV)日産キックスも200台贈呈された。
全選手の代表として車両の鍵を受け取る役を果たしたオルテンシア氏は、出場選手は五輪直前期をどのように過ごしているのかと報道陣に質問され、「この時期は完全に集中モード。落ち着けるのは大会が終わってから」と語った。