ダッタ・フォーリャの調査によると、8月5日の開幕まであと2週間強の現在、ブラジル民の半数はリオ五輪開催に反対しているという結果が出た。19日付フォーリャ紙が報じた。
この調査は14日と15日に国内171市で、16歳以上の国民2792人を対象に行われたもので、「五輪開催に反対」と答えた人の割合は50%で、25%だった13年6月の調査に比べて倍増した。
また、「五輪開催に賛成」と答えた人の割合は、13年6月の64%から40%に低下した。
調査では、63%の人が「五輪はブラジル民に利益より不利益をもたらす」と考えている事も判明した。この割合も3年前は38%で、今より低かった。ただし、リオ市民に限定した場合、「不利益をもたらす」と答えた人は47%で、「利益をもたらす」と答えた人の45%を上回った。
リオ市は好景気に沸く第2期ルーラ政権(労働者党・PT)時の09年10月に、16年五輪開催都市に選定された。しかし、その後のジウマ政権で景気後退が起き、国家財政も悪化した。
最近では、五輪の存在が財政圧迫の形を取って表出してきている。6月には、リオ州知事代行のフランシスコ・ドルネッレス氏(進歩党・PP)が、五輪絡みの歳出拡大などを理由に、財政非常事態宣言を出した。
リオ市長のエドゥアルド・パエス氏(民主運動党・PMDB)は7月初めに、英国紙に「経済危機、政治危機に瀕し、汚職にまみれるブラジルは、五輪を通じて世界に良いイメージをアピールする好機を失った」と語った。
公共投資や民間委託事業を合わせたリオ五輪の開催経費は、既に390億レを超えている。巨費を投じたにもかかわらず、「五輪を通して世界に向けたブラジルのイメージアップ」といった図式を信じるブラジル民は決して多くない。
治安に関する質問にも悲観的な意見が多く、「治安状況は恥ずべき」と答えたのは57%で、「誇るべき」と答えたのは32%だった。運営面では恥ずべき49%、誇るべき40%で、観光客らの輸送システムの評価は恥ずべき55%、誇るべき29%だった。
調査の行われた14、15日には、フランスのニースで発生したテロ事件を受けて、連邦政府が警備計画の見直しを発表している。
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