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南マット・グロッソ州の監獄に連れられる容疑者のひとり(Valter Campanato/Agência Brasil)
南マット・グロッソ州の監獄に連れられる容疑者のひとり(Valter Campanato/Agência Brasil)

ハッシュタグ=容疑者たちの詳細明らかに=FBIの情報提供がきっかけ=24日までに12人全員を逮捕=ドイツのテロ後高まる緊迫感

 【既報関連】21日に行われ、リオ五輪でのテロの可能性のある10人を逮捕した連邦警察の捜査「ハッシュタグ」に関し、さらに詳しい情報が明らかになった。23日付伯字紙が報じている。

 23日付エスタード紙によると、今回の捜査「ハッシュタグ」は、米国の連邦警察(FBI)がブラジルに「ブラジル内には、国際的テロ組織のイスラム国(IS)関係者が少なくとも6人はいる」という情報を提供したことが契機となったという。
 同件担当の連邦検察庁検察官によると、FBIのメッセージは簡潔なもので、危険人物の名前を記し、「十分気をつけるように」との添え書きがあったという。
 「ハッシュタグ」での逮捕者は、24日夜までに12人(23日付本紙報道では10人)となって、逮捕令状が出ていた人物は全員逮捕された。
 逮捕者の内4人はサンパウロ州で逮捕されている。そのうちの1人、モハマド・モウニール・ザカリア容疑者はレバノン生まれのアラブ人で、サンパウロ市セントロのブラスで菓子店を経営していたが、数カ月前に家賃高騰で店を手放し、販売員となった。
 また、サンパウロ州アンパロで逮捕されたマルコ・マリオ・ドゥアルテ容疑者(42)と、リオで逮捕されたアリソン・ルアン・デ・オリヴェイラ容疑者(19)、マット・グロッソ在住のレオニド・エル・カドレ・デ・メロ容疑者(32)の3人は「最も注意すべき人物」とみなされていた。
 23日付フォーリャ紙によると、この3人はネット上において最も暴力的で過激な言動を行っていたという。具体的には爆弾製造の話なども行われており、リオ五輪は「天国に到達する良い機会」との言葉もあったという。ドゥアルテ容疑者は、おもちゃの大型銃を抱えて微笑む写真が出回り、話題を呼んでいる。
 22日には、マット・グロッソ州内で、ボリビアとの国境付近まで逃走していたヴァルジール・ペレイラ・ダ・ロッシャ容疑者が連邦警察に自首した。また24日には、前述のエル・カドレ容疑者が、マット・グロッソ州州都のクイアバから656キロ離れたコモドーロで逮捕された。
 逮捕された容疑者たちは、南マット・グロッソ州の連邦刑務所に連行された。1万2600平米の広大な刑務所は、警備が厳重な事で知られ、コロンビアの麻薬王など、有名な犯罪者が収容されているが、開設以来、脱獄者は皆無だ。
 また、22日にドイツのミュンヘンで起きたテロの後、ネット上の情報収集や警告などを行っている「グローバル・インテリジェンス・インサイト」が、「ドイツの事件はリオ五輪でのテロの可能性を示す間接的なサイン」と考えられる兆候を発見したとして、ブラジルに警戒を呼びかけた。同社によると、イスラムの聖戦派は、国際社会からのISへの攻撃を止めなけば、西欧諸国に毎日のように攻撃を仕掛けると警告しているという。