ブラジリアで、25日より31日まで、黒人女性の意識昂揚を目的とした「ラチニダーデ祭」が開催され、話題を呼んでいる。25日付アジェンシア・ブラジルが報じている。
ラチニダーデ祭は、中南米やカリブ海諸国に生きる黒人女性が人種差別や性差別からの自由を訴えるためにはじめたもので、2008年に開催して以来、毎年7月下旬に規模を拡大させながら展開してきた。9回目となる今年は、7日間開催という長丁場となった。
今年のラチニダーデ祭は25日夕方、ブラジリア中央部のバスターミナル内で開催された開会式をもってはじまった。今年のテーマはマーケティングなどにも焦点をあてた「コミュニケーション」で、開会式では「ラ米とカリブ地方の黒人女性の日」も祝われた。
メイン会場は国立博物館で、討論会や展示会、黒人女性アーティストのコンサート、人種問題に関する映画鑑賞や本の出版披露会、30日にはフェイラも開催される。主催者側は、これらの催しでの来場者を延べ200万人と見込んでいる。
また、討論会も充実している。26日には、人種問題に関する社会正義についての対話を公の場で行うための環境作りの可能性について語られ、27日には、メディア上に登場する人物に人種的多様性が少ないことを問題視し、それを変えていくための話し合いも行われた。
ブラジルでは人種差別は憲法で禁止されているが、昨今は、黒人の有名人を〃猿〃と比較するといった、ネット上での侮辱行為が相次ぐなど、人種差別問題がメディアをにぎわす機会が増えている。
また、米国でも、白人警察官による黒人市民の殺害事件が相次ぎ、国際的な社会問題となっていることもあり、黒人差別への関心自体が、国境を越えて高まっている。
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