ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | アチバイア別荘=やはりルーラ夫妻の物件か=連邦警察が証拠から判断=建築士の携帯メール決め手=所有者も夫妻の指揮認める
3月、ジウマ大統領と写真に収まるルーラ夫婦(Ricardo Stuckert/Instituto Lula)
3月、ジウマ大統領と写真に収まるルーラ夫婦(Ricardo Stuckert/Instituto Lula)

アチバイア別荘=やはりルーラ夫妻の物件か=連邦警察が証拠から判断=建築士の携帯メール決め手=所有者も夫妻の指揮認める

 連邦警察のラヴァ・ジャット作戦(LJ)の捜査チームが、ルーラ前大統領への贈収賄工作が疑われるサンパウロ州アチバイアの別荘に関し、改装工事を主導したのはルーラ氏とマリーザ夫人だったとの判断を、工事に携わったOAS社の建築士のメールなどを基に下した。29日付伯字紙が報じている。

 ルーラ氏が、オデブレヒトやOASといったLJの疑惑の企業に、アチバイアの別荘の改修費を自己負担させる形で贈収賄工作を行っていたのではないかとの疑惑は、今年の2~3月から騒がれていた。これについてルーラ氏側は、「自分の所有物ではない」と、否定し続けてきた。
 だが連邦警察は、LJで押収した諸々の証拠から、アチバイアのキッチンの改修は、ルーラ夫婦の主導で行われたとの判断に至った。
 改修は2段階にわたって行われており、1回目は、ルーラ氏がまだ大統領在任中の2010年9月から11年にかけて行われた。そのときはオデブレヒト社の建築士フレデリコ・バルボーザ氏を中心に、別荘全体の改修作業が行われたという。
 2回目は2014年2月からはじまり、OASの建築士、パウロ・ゴルジーリョ氏を中心に、キッチンの増設作業が進められた。連邦警察は、この際の様子がゴルジーリョ氏の携帯電話のワッツアップのメッセージに詳しく記録されていたのを確認したという。
 それによると、ゴルジーリョ氏のメッセージの中には、「絶対に秘密だぞ。(OAS元社長でLJ被告の)レオ・ピニェイロとアチバイアに行ってルーラ夫妻に会う。レオが私を最高の建築士と紹介してくれたんだ」「(ルーラ氏と)高級カシャッサ1本とビール15本を空けた」「マリーザ氏の意向を汲むよう頼まれた」などと書かれており、そのときの写真もみつかったという。
 ゴルジーリョ氏はそのメッセージの中で、ルーラ氏を巡るもうひとつの疑惑の住宅、サンパウロ州グアルジャーの高級三層アパートでもOAS主導でキッチンの工事がはじまることを、「ゼッカ・パゴジーニョ1号(アチバイア)」「同2号(グアルジャー)」との隠語でほのめかしていた。
 また、この別荘の書類上の持ち主のひとりであるフェルナンド・ビッタル氏は、6カ月前、クリチバの連邦検察官から事情聴取を受け、マリーザ氏が工事の一部を指揮したと供述していた。当初はビッタル氏が個人的に信頼している建築家に工事を依頼していたが、マリーザ氏が気に入らず、OASに頼むことになった、という。
 また、ビッタル氏は10~11年に別荘購入と改修工事で少なくとも170万レアルを払ったはずだが、その間の収入申告額の合計がその額に見合っていないとの指摘もあるが、その点についても、ビッタル氏は「購入費は父親が援助した」と供述していたという。