連邦政府が、国家公務員の採用試験における20%の「黒人枠」規定に関し、申し込み時に「黒人」と申告した人が実際に黒人であるかどうかを確かめる対策に出そうだと、3日付フォーリャ紙が報じている。
「黒人枠」の割当に関しては、13年に公立大学で、14年に公務員での特別枠が議会で通過しそうになった頃からその是非を問う声があった。14年6月に公務員の特別枠制定後、問題も少なくないという。
それは、黒人枠は「プレット(黒)またはそれに近いパルド(褐色)」の人が対象と定められているのに、明らかに該当するとは思えない人が応募し、合格するケースが少なくないためだ。
国家公務員試験での特別枠対象者は、「応募者の自己申告」を基に選ばれている。自己申告は国の調査機関である地理統計院(IBGE)の調査や、公立大学の受験時にも採用されている。
だが、前述の問題もあり、応募者が実際に黒人枠に該当する人物かを確認する必要が生じている。法務省内の人種平等促進局によると、自己申告の内容を偽り、不正や詐欺に問われるケースは絶えないという。
このため、連邦政府では、応募者が本当に黒人枠に該当するかを判断する委員会を設置すると見られているが、そのやり方をめぐって、早くも議論が起きている。
この委員会は、採用試験の結果の発表前に、黒人と自己申告した応募者と面接することになっており、特別枠での採用希望者の出頭は義務となるが、黒人か否かの判断は応募者の外見のみでなされようとしている。
だが、黒人であるかの判断を肌の色で行うことは「新しい差別を生みかねない」と危惧する識者も存在する。
連邦政府は、黒人か否かの判断基準を、検察庁や国家総弁護庁(AGU)の判断に従ったものにしたいと考えているが、いずれにせよ、法的な問題が生じたりして難航するだろうと専門家は見ているという。