輸入品との競争に苦しむ国内企業が通商産業開発省(MDIC)に競争条件の同等化を求めたことで、ブラジル政府が郵送での贈り物も含め、外国からの輸入品に課税することを検討している。
マルコス・ペレイラ通産開発相は、7月28日に行われたエンリケ・メイレーレス財相との会合で、法人登録していない人が50USドル以下の品を輸入した場合にも課税することを進言した。この課税策は近日中に暫定令(MP)の形で採用される可能性が強い。「製造業者らからの要請を受けた提案で、この政策なら税収増を見込むことも出来る」とペレイラ氏は語った。
現在、50USドルまでの個人輸入は、輸入税や工業製品税、社会統合基金、公務員財形計画、社会保険融資納付金などの課税対象外とされている。MDICは、個人輸入の非課税額をゼロにすることを提案している。
MDICへの訴えは、外国企業の多くが、税金を払わずに国内の消費者に商品を販売するために現行法を利用していることを反映したものだ。外国企業は課税逃れのために個人を装って品を送っており、国産品より少ない税額の商品が消費者の手許に届けば、国内の企業や政府が損失を被ることになる。
郵送による高額品の輸入や航空便での輸入は現行法でも課税されているが、買い物額が3千USドルを超えない品の場合は、納税用紙も簡便化され、低率課税となる。
ペレイラ大臣はメイレーレス氏に、輸出時に行われる企業への税金還元法(レインテグラ)の貸付率引き上げが、当初の予定より遅れる可能性があることを製造業者らが懸念していると報告した。ペレイラ氏は29日も、サンパウロ州工業連盟のパウロ・スカフ会長を伴って、メイレーレス氏と会っている。
レインテグラでは、輸出業者に国外での販売額の0・1%の貸付を行っている。製造業者らは、当初の予定通り、来年1月からこの貸付率を2%に上げ、18年1月には3%に上げることを望んでいる。連邦政府は昨年、貸付率を0・1%に引き下げた際、段階的に率を上げる大統領令も出していた。スカフ氏は29日、メイレーレス氏に貸付率は3%が妥当との考えを示している。
ペレイラ氏は、貸付率引き上げは工業製品の輸出増加に繋がり、連邦政府にとっては損失以上に利益を生むことを証明することが出来ると説明。「来週にはこのことを証明する書類の準備が完了するから、その時にまた話し合う」と語った。
財務省とMDICの会合は頻繁に行われているが、MDICは、財務省が社会統合基金や社会保険融資納付金に関する改革案を提示してこないと不満を漏らしている。ペレイラ氏は、税制改革に関して、MDICの意見も聞くよう、財務省に要請している。ペレイラ氏は、MDICは税制改革について何も知らされていないとした上、この点については省庁間に距離があり、議会に提出する法案に、本来含まれるべき省庁の声が反映されない状態が生じる可能性さえあると強調した。
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