メルセデス・ベンツが大サンパウロ市圏のサンベルナルド・ド・カンポ工場の従業員を解雇する方針で、従業員が4日にストを実行。必要ならストを繰り返すと5日付エスタード紙などが報じた。
同社は6月に余剰人員は2500人と発表し、希望退職者を募ったが、応募者は630人、9月以降、残る1870人を解雇する可能性がある。
同社の担当者は解雇予定者数を明らかにしていないが、近年のブラジルの政治的、経済的な事情により、自動車産業は種々の障壁に直面している。
メルセデス・ベンツでは14年以降、集団休暇や就業日数削減などで解雇を避けてきたが、今回は回避が困難として、2日に文書の形で従業員に通達した。労組側は解雇者数を減らす事などを要請したが、会社側は、生産の落ち込みなどを理由に解雇する意向だ。
景気後退や消費者の購買力低下、融資枠の制限などで自動車業界が厳しい事は周知の事実で、同業界は1年間で8万9千人を解雇した。7月の解雇者は1147人で、業界の総従業員数は09年以来の少なさだという。
サンベルナルド市では今週、フォルクスワーゲンと同社労組が、3600人の解雇回避のため、5カ月間は給与調整を行わず、希望退職を募る事で合意したばかりだ。
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