4日、上院のジウマ大統領(労働者党・PT)罷免特別委員会が投票を行った結果、圧倒的な賛成多数で、ジウマ氏の罷免を薦める意見書を承認した。5日付伯字紙が報じている。
投票の結果は14対5と、圧倒的な差がついた。投票しなかったのは委員長のライムンド・リラ上議(民主運動党・PMDB)と欠席したウェリントン・ファグンデス上議(共和党・PR)のみだった。
この委員会では過半数を超えれば、来週の上院本会議に回されることになっていたが、反対が賛成の約3分の1という惨敗ぶりは、ジウマ氏やPTにとって、8月下旬に予定されている上院での弾劾裁判に向けて、大きな不安を投げかけるものだった。弾劾裁判では、罷免賛成が反対の2倍以上になれば罷免が成立するためだ。
罷免特別委員会で承認された意見書は5日の上院本会議で朗読された上、来週(9日)の上院本会議で、討議と採決が行われる。
9日の本会議で賛成が出席者の過半数を占めれば弾劾裁判の開催が決まるが、フォーリャ紙の報道ではすでに、上院議員の過半数以上にあたる44人、エスタード紙の報道でも40人がジウマ大統領の罷免に賛成だと言われている。
この結果を受け、PTのルイ・ファルコン党首は、これまで同党の一部が主張していた「新たに大統領選挙を行うための国民投票を行う」という作戦を取り下げることを明言した。新たな大統領選挙はジウマ氏の罷免を避けるためだったが、それは実現しなかった。
また、PTは4日、党内左派の呼びかけで、党の首脳会議をサンパウロ市で持った。そこでは、仮にジウマ大統領が罷免され、テメル政権が正式なものとなった場合の党の位置づけについての討論が行われた。
PT党内では、先月行われた下院議長選で、政敵である民主党(DEM)から立候補したロドリゴ・マイア下議に多くのPT党員が票を投じたことが問題となっている。マイア氏への投票を率先して呼びかけたのはルーラ前大統領だった。