新選挙法の潜在的な受益者であるエヴァンジェリコ(福音派)の諸教会は、サンパウロ市議会内での議席拡大のため、同派の立候補者を出すと宣言した。
福音派教会では、再選を目指している10人の現職市議加え、主だった教会のリーダーや教会内部の働きについている人の中から候補を出し、少なくとも5人の市議増員をと考えている。
市長選では、ブラジル共和党(PRB)のセウソ・ルッソマノ氏の出馬が裁判によって取り消される可能性があるため、ブラジル民主社会党(PSDB)のジョアン・ドリア議員を支援する動きが強まっている。ドリア氏は既に、サーラ・ノッサ・テーラのロブソン・ロドヴァーリョ司教やシラス・マラファイア牧師の支持を得ている。
選挙活動期間が45日間に短縮され、広告方法も制限されたことや、企業献金が禁止されたことで、今回の選挙では、教会のような選挙基盤を持った人物がより有利になると見られている。
これらの状況を鑑み、福音派教会は、ジョアン・ジョルジ(PSDB)やジルベルト・ナスシメント・ジュニオル(キリスト教社会党)といった新人候補を立てている。また、アッセンブレイア・デ・デウスは、ノエミ・ノナト(共和党)、サンドラ・タデウ(民主党)両市議の再選も支援している。
ベレンにあるアッセンブレイア・デ・デウスには現職市議はいないが、同教会の長であるジョゼ・ウェリントン・ベゼーラ・ダ・コスタ氏の娘のルテ・コスタ氏(社会民主党)を候補に擁立する予定だ。
エヴァンジェリョ・クアドラングラル教会からはリナウジ・ディジグリオ氏(PRB)、プレニトゥージ・ド・トロノ・デ・デウス教会からはイルマン・アニッタ(PRB)が出馬する。
何人かの候補者の選挙活動は支持者層が重なると見られ、候補者が説教壇に立つことを禁止するなどの制限も出てくる。1997年以降は候補者が説教壇に立つことが禁止されているが、実際には説教壇に立つ候補は多く、あまり監視されていない。このことは、選挙法が専門で、マルタ・スピリシー(当時は労働者党、現民主運動党)の選挙活動を手伝ったリカルド・ペンテアード弁護士が指摘している。
彼によれば、選挙法の小さな改正は「不均衡」や「礼拝のような権威ある場所が不当に利用される」可能性を増す。「教会内の活動への参加や教会のメンバーと一緒に地区の集会に参加することは、我々にとってはボランティア活動だが、選挙活動ととられる可能性があり、様々な懸念が生じる」という。
今年の地方選では、候補者への企業献金やテレビでの広告方法のあり方、選挙活動期間などの点が改正された選挙法が適用される。(5日付フォーリャ紙より)