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5日。ヴァンデルレイが聖火を灯した瞬間(Roberto Castro/Brasil2016)
5日。ヴァンデルレイが聖火を灯した瞬間(Roberto Castro/Brasil2016)

リオ五輪=開会式は世界的に大絶賛=開幕からを振り返る=文化歴史の紹介と音楽好評=メダル1号は射撃のウー

 5日に正式開催されたリオ五輪は、既に多くの熱戦が繰り広げられている最中だ。五輪開会から最初の週末に至るまでの流れを、伯字紙の報道から振り返る。

 5日にマラカナン・スタジアムで行われたリオ五輪の開会式は、世界各国のメディアから絶賛を浴び、成功を収めた。
 ミシェル・テメル大統領代行による開会宣言は、同氏の紹介を省いて行われたにも関わらず、野次を浴びる結果となったが、映画監督フェルナンド・メイレレス監督を中心としたチームによる開会セレモニーが世界を魅了した。
 セレモニーそのものの主旨は人種的多様性や環境保護、移民、統合などを謳うことで、とりもなおさず、これまでのブラジルの歴史や社会を映し出すことになった。そこではブラジル人にとっての人類初の飛行機開発者、サントス・ドゥモンの飛行機「14ビズ」を再現した飛行機が宙を舞い、リオのファヴェーラを意識したオブジェを、伝統的なサンバや若者に人気のヒップホップやファンキが彩った。また、ボサノバの名曲「イパネマの娘」にあわせ、世界的モデルのジゼリ・ブンチェンがキャットウォークを行ったシーンは、満員の観客を沸かせた。
 環境保護のメッセージは、ブラジル唯一のオスカー女優フェルナンダ・モンテネグロによる、ブラジル最大の詩人カルロス・ドラムンド・デ・アンドラーデの詩の朗読という形で行われた。
 リオのサンバの大家パウリーニョ・ダ・ヴィオラによる国歌斉唱や、重鎮のカエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジル、人気女性歌手アニッタによる「ブラジル」も大好評を得た。
 開会式の最中の聖火リレーはかつてのブラジル人名選手によって行われた。男子テニス選手のグーガから女子バスケットのオルテンシアに渡された聖火は、2004年のアテネ五輪男子マラソンで金メダル目前だったが、沿道の暴漢に妨害されて優勝を逃したヴァンデルレイに渡された。階段を上ったヴァンデルレイが聖火台に点火した瞬間に加え、聖火が更に高く持ち上げられて、太陽を模したモニュメントが動き出した瞬間は、大喝采となった。
 翌6日からの競技は、ブラジル代表選手の間で悲喜交々の途中経過となっている。期待された柔道では、前大会で女子48キロ級金のサラ・メネゼスや同じく男子60キロ級で銅だったフェリペ・キタダイらが敗れ、6、7日の両日はメダル獲得なしで終わった。
 一方、体操は男子・女子共に好調な滑り出しで団体戦で決勝に進んだ。優勝候補常連のバレーボールも、男女共に初戦は危なげなく飾った。また、女子のハンドボールも初戦で優勝候補のノルウェーを破った。サッカーは女子が好調で2連勝中だが、注目の男子が2試合連続の0―0で予選落ちの危機にある。今大会最初かつ7日までで唯一のメダルは、男子10メートルエアピストルのフェリペ・ウーの銀メダルだった。