9日朝、上院でジウマ大統領の弾劾裁判を行うか否かの全体投票がはじまった。上院本会議は午前9時の予定が45分遅れてスタート、投票は10日未明にかけて行われた。この投票で半数(41人)以上を獲得すれば弾劾裁判を行うことが決定する。9日付伯字神サイトが報じている。
9日の上院本会議は午前9時45分にスタートした。同本会議の開会はレナン・カリェイロス議長が宣言したが、その後の司会はリカルド・レヴァンドウスキー最高裁長官が担当する。会議のはじめは、ジウマ大統領の労働者党(PT)や同盟党のブラジル共産党(PCdoB)らが、今回の会議で全体投票を行うことへの異議を差し挟む質問からはじまった。
リンドベルグ・ファリアス上議やグレイシ・ホフマン上議(共にPT)、ヴァネッサ・グラジオチン上議(PCdoB)らは、先週浮上したミシェル・テメル大統領代行(民主運動党・PMDB)に対するラヴァ・ジャット作戦(LJ)での献金請求疑惑などを理由に、この日の投票差し止めを訴えた。テメル氏はマルセロ・オデブレヒト被告によるLJでの報奨付供述で、同氏の依頼によりPMDBへ1千万レアルの不正献金を行ったと言及されていた。
また、これらの上議は、報告官をつとめるアントニオ・アナスタジア上議(民主社会党・PSDB)の汚職疑惑にも言及した。だが、テメル氏の件も含め、これらの訴えがレヴァンドウスキー長官に受け付けられることはなかった。
12時30分からはアナスタジア上議からの報告(要約)が行われ、これまで通り、改めてジウマ大統領の罷免を勧める見解を示した。
その後は、希望する上議たちが、持ち時間10分で報告書の内容に関する見解を話し、その後は、ジウマ大統領の罷免を求める原告側、弁護側にそれぞれ30分の時間で見解を述べさせた。
投票はその後にはじまるが、81人の上議がそれぞれ10分の持ち時間で投票の意図を説明するため、投票の結果が判明するのは、5月7~8日に上院が罷免審議を進めることを決めたときと同様、1日がかりでの決定となる。
この投票で、上院の過半数にあたる41人以上の上議の賛成があれば、8月25日からと見られる弾劾裁判の実施が決まるが、フォーリャ紙の調査では45人、エスタード紙でも43人の上議がジウマ氏の罷免に賛成していると言われていることから、まず、今回の投票での通過は間違いないと目されている。
テメル大統領代行をはじめとする暫定政府は、これまで態度を表明していなかったPMDBの議員を中心とする上議たちの罷免支持を期待し、60票あまりを得票して弾劾裁判の実行決定に持ち込みたいとしている。
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