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事件後にマレー地区での警備強化のために派遣された国家治安部隊(Vladimir Platonow/Agência Brasil)
事件後にマレー地区での警備強化のために派遣された国家治安部隊(Vladimir Platonow/Agência Brasil)

リオ五輪=専用バスのガラス割られる=警察は銃撃説否定、投石か=スラムに入った警官襲撃も

 五輪の熱気に沸くリオ市内で9日、報道関係者らが乗った専用バスが襲撃され、割れたガラスでケガ人が出た。10日には、誤ってファヴェーラ(スラム)に入った国家治安部隊が銃撃される事件も起きたと9~11日付伯字紙や各紙サイトが報じた。
 報道関係者やボランティア12人(内3人がブラジル人)を乗せたバス襲撃は、9日午後7時半頃起きた。この専用バスはデオドーロ総合競技場からバーラ地区のオリンピック公園に向かったが、クリシッカ付近で急に窓ガラス2枚が割れた。直前に低い物音を聞いた乗客もおり、運転手が気づいた時は乗客全員が床に身を伏せていたという。
 バスは警察車両の傍まで行って一旦停車後、目的地まで走ってから、鑑識に回された。この事件では、ベラルーシから来たジャーナリストら2人が軽傷を負った。
 リオ市警は10日、バスの車体についていた傷跡などから見て銃撃された可能性はなく、投石を受けたとの見解を明らかにしたが、バスに乗っていた米国人ジャーナリストは、短い間隔で銃声らしき音を聞いたと証言している。
 一方、同市北部マレー複合ファヴェーラでの国家治安部隊襲撃は10日午後、部隊員3人を乗せた車が、誤ってヴィラ・ド・ジョアンと呼ばれる地区に乗り込んだ事で生じた。
 アレッシャンドレ・デ・モラエス法相によると、ロライマ州軍警のエリオ・アンドラデ氏は頭部に被弾し、手術を受けたが重体、隊長でアクレ州軍警のアレン・M・R・フェレイラ氏は額に軽傷を負った。
 マレー地区の警備は事件後に強化され、連邦警察と軍警の特殊作戦部隊が犯人捜査を行う一方、国家治安部隊の車両がヴィラ・ド・ジョアンとヴィラ・ドス・ピニェイロスへの道路を11日朝から封鎖。陸軍の射撃手がファヴェーラ・チンバウで待機し、軍警特殊部隊や連警、国道警察、陸軍兵も派遣された。
 国家治安部隊は全国から応募した軍警や市警、消防士、鑑識官らによって構成され、ブラジリアでの訓練後、7500人がリオに派遣された。同部隊は五輪関係の施設警備などが担当だが、地理に不案内なために、麻薬密売者が支配する地域に入りこみ、事件に巻き込まれた。