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難民拒否率が22カ国で上昇=40%の人が国境封鎖望む

 移民流入問題や欧州連合(EU)政策への不信感が原因でイギリスのEU離脱是非を問う国民投票の離脱派が勝利した結果や、アメリカのドナルド・トランプ大統領候補の移民追放宣言が世界の難民反対派の意見に影響を及ぼしている。
 難民問題は今や、世界中を巻き込む問題となっている。ブラジルを含む22カ国で行われた調査の結果、難民の国家間の移動に対し、否定的な意見が目立った。フランスの調査会社イプソスによると、回答者の多くは国家経済や治安、テロの恐怖などを心配し、国境の全面閉鎖を望んでいる人は40%に及んだ。
 調査が行われたのは、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、フランス、イギリス、ドイツ、ハンガリー、インド、イタリア、日本、メキシコ、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、スペイン、スイス、トルコ、アメリカの22カ国だ。
 調査によると、大半の国の人は直近5年間で自国に移民が増加したと感じており、自国に移民が増加しすぎているという回答が約半数を占めた。国際連合難民高等弁務官事務所(Acnur)によると、難民増加の印象は、15年末に登録された難民の数が前代未聞の6億5300万人に達した事でも裏付けられるという。
 イプソスによる調査の回答者中、45%は自国への難民の影響に否定的であり、5人中1人のみが自国に良い影響を与えるだろうと回答した。自国への難民増加に否定的な人の割合は、内戦から逃れたシリア人難民の行き先になる国々(トルコやイタリア、ロシア、ハンガリー、フランス、ベルギー)では、より大きくなる傾向が見られた。
 逆に、同じ西側諸国でも、様々な移民が住むカナダやアメリカでは、移民は肯定的な影響をもたらすと考える人が36%と35%に達していた。ドイツやフランスは肯定的な見解の人が18%と11%と少なかった。ブラジルも移民に肯定的だったのは17%で、少数派だった。
 回答者の38%は難民に対し、完全な国境閉鎖を望み、難民のせいでテロの被害に遭うことを恐れている人も61%いた。シリア難民の通過地点となっているトルコでは、67%が国境閉鎖に賛成している。また、アメリカ、フランス、ドイツでも約半数が国境閉鎖に賛成している。
 ブラジルは国境閉鎖に賛成は31%のみで、難民排除傾向は小さいといえる。
 「難民の入国を妨げる事は、困難な状況に置かれた人達をより困難な状況に追い込むだけで、なんの利益も生まない」と国際関係や難民の人権問題の専門家のリリアナ・ジュビルチ氏が語った。経済、政治、治安が不安定な状況下では、他者に対する不信感が増長しやすいと言う。
 Acnur広報係のノラ・スターム氏は、「難民は被害者であり、暴力やテロ、戦争などの原因ではない事を強調する事が大事だ」とした。「彼らは悲惨な状態から逃げているだけであり、国際的な緊急保護が必要」とフォーリャ紙に答えた。
 同調査はインターネットで6月24日~7月8日にかけて行われ、1万6040人が回答した。(12日付フォーリャ紙より)