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14日のリオ五輪100メートル走で、ボルト(左から2番目)とガトリン(右から1番目)(Ministério do Esporte)
14日のリオ五輪100メートル走で、ボルト(左から2番目)とガトリン(右から1番目)(Ministério do Esporte)

ボルトがブラジルのファンにショック=ライバル、ガトリンへの野次で

 今回のリオ五輪で最も人気の選手のひとり、陸上短距離のスーパースター、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が、五輪史上初の100メートル3連覇を決めた後のインタビューで、ブラジルのファンに戸惑いを見せた。
 ボルトはその記録的な強さもさることながら、ブラジルではそのファン・サービスでも非常に人気の高い選手だ。五輪前から繰り返しブラジルを訪問しては、マスコミやファンの前で気さくにおなじみのポーズ「ライトニング・ボルト」を決める姿がたびたび報じられている。
 ただ、そのファン心理から、ブラジルのファンはボルトを熱心に応援するあまり、冷静さを欠いてしまったようだ。ボルトへの熱い声援を送るだけでなく、レース前にボルトの最大のライバル、ジャスティン・ガトリン(アメリカ)が紹介されたとき、彼に向けて強烈な野次が飛ばされたのだ。
 2004年のアテネ五輪金メダリストのガトリンは、10数年にも及ぶボルトのライバルとして有名だ。そのイメージに加え、過去に2度、ドーピング検査での陽性反応で出場停止処分を受けていることから、悪役的なイメージもあった。
 今大会前も、故障によりジャマイカの国内選考会を欠場したボルトに対し、ガトリンが「ありえない特権を受けている。同じことをアメリカでやったら五輪には出られない」と批判した。それに対しボルトが「敬意に欠く発言。ガトリンにはがっかりしたよ」と返す一幕があった。
 優勝後のインタビューでボルトはにこやかに競技場内のファンに感謝を示したが、インタビューアーがガトリンへの野次についての質問を向けると、「ショックだった。あんなことが起きたことは今までに一度もなかった。驚きでなんと言ったらいいのかわからないよ」とショックを隠さなかった。
 一方で銀メダルを獲得したガトリンも、試合後のインタビューでこの件について答えた。「あの野次は聞いただろ? でも、集中するしかなかったね。観客は興奮していたし、ボルトのファンがたくさんいたからね。彼らは僕のことなんて知らない。大事なのは、全ての競争相手が僕に敬意を払ってくれていることだ」と答えた。
 さらに「野次を飛ばされたけど、特に何も感じなかったよ。アメリカの国旗を掲げてくれる人も多かったからね」とガトリンは語った。(15日付UOLサイトより)