【リオ発=小倉祐貴記者】東洋の壁は厚かった。主に日系人で構成されたリオ五輪ブラジル卓球代表が、東アジア諸国を前に涙をのんだ。女子は団体で優勝候補の中国に破れ、男子も韓国に敗戦。個人戦ではウーゴ・カルデラノ(20)がベスト16に進出するも、最後は水谷隼(日本)に敗れた。健闘は見せたが、ブラジル卓球界で歴代最高のベスト8には一歩届かなかった。
12日から始まった団体戦は男女3人ずつエントリー。全5試合行なわれ3つ先取した方が勝利する。全てトーナメント方式。日系としては坪井グスタヴォ(32)、マツモト・カズオ(31)、クマハラ・アイコ・カロリーネ(21、ともに三世)、高橋ブルーナ(16、四世)が出場した。
女子の対戦相手は卓球王国の中国。地元の大歓声を受けたが3―0で完敗した。試合後クマハラは「難しい相手だった。特にダブルス戦で差を痛感。もっと成長しなければ」。個人戦では初戦を突破したものの、強国との差に悔しさをにじませた。
その後は男子が韓国との初戦を迎える。3選手とも世界ランク100位内だが、韓国は全員がそれ以上。先鋒カルデラノが破れ、2番手はマツモト。激しいラリーの応酬後、得点を奪取すると大歓声が沸く。得点連取など見せ場は作ったが勝利には届かなかった。続くダブルス戦にはカルデラノ・坪井ペアが出場。しかしミスが目立ち3戦目を落とす。この瞬間、敗退が決まった。
肩を落とすマツモトだったが、「地元の大歓声が前向きな気持ちを与えてくれた。この悔しさをバネに東京大会へ向かう」と前を向いた。サンパウロ市から応援に駆けつけた坪井の父マルチンさん(65)も、「息子はもっとできたはず。東京を目指してほしい。日本にも応援に行く」と檄を送った。
ただ明るい材料もある。ベスト16止まりだったカルデラノはまだ20歳で、女子チームも若手が中心。小山ウーゴ監督は「特に高橋は16歳とのびしろがある。大きな財産になったはず」。母国で得た経験を糧に、もう一つの祖国、日本での雪辱を誓う。
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卓球代表として初めて五輪に出場した高橋ブルーナ。4年後に向け「良い経験になった。ただ東京五輪のメンバーに選ばれるかは分からないし…」と控えめなコメント。だが有望株であることに変わりはない。小山ウーゴ代表監督も続投の意思を示しており、クマハラ始め、東京大会でも陣容は大きく変わらない可能性が高い。4年後までこのメンバーをお忘れなく!
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