ブラジル全体の政治や経済の不透明感、競技施設や公共交通機関の工事の遅れなど、数々の問題が指摘されていたリオ五輪が21日に閉幕したが、同時点での選手や観衆の反応は概ね好評だったと21、22日付伯字紙サイトなどが報じた。
選手や観衆が満足していた事は、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長が閉会宣言した時起きた「あ~」というため息からも感じられた。同様の声は同日の午後、オリンピック公園を後にする観衆からも聞かれた。
「問題はある。今でもブラジルの能力を疑う人がいるが、フェスタをやらせたらブラジルの右に出る者はいない。ブラジル人は皆、熱いからね」と言うのは、リオ出身の医師、ジヴァウド・フィーリョ氏だ。
「リオ州人が持つ〃喜び〃を世界中に示せた事を誇りに思う」とグスターヴォ・オリヴェイラ氏が言うと、「今回の経験は一生忘れない」とラファエル・カヴァウカンチ氏も言い添えた。
成功は競技面だけではない。各国のパヴィリオンやオリンピック公園、海岸地区のボウレヴァルド・オリンピコなども満足のいく結果を残したようだ。デコ・オリヴェイラ氏は「交通機関や治安面も問題なく過ぎた」「大会中はお祭り気分を満喫した」と大満足だ。
同様の声は外国人観光客や選手からも聞かれ、「今世紀最高の大会」との声もあった。これは、エスタード紙が11~15日に行った世論調査の結果(21日付掲載)より、かなり肯定的だ。
同調査では、五輪開催による損失は恩恵より大きいという人が62%いたが、五輪によってブラジルのイメージが改善されるという人も57%いた。
五輪に肯定的な人は北伯、北東伯中心に58%おり、「希望」「誇り」「喜び」「肯定的」などの言葉で今大会の印象を表した。同グループの70%は今大会は「良い/最良」と考え、83%は今大会でブラジルのイメージが改善すると判断。損失以上の恩恵をもたらすという人は53%いた。
これに対し、五輪に否定的な人は南伯、南東伯に多く、五輪の印象を表す言葉としては「無駄」「恥」「失望」「懸念」「不快」などを選んだ。53%は今大会は「悪い/最悪」と考え、61%はブラジルのイメージは悪化すると判断。同グループでは全員が恩恵より損失が大と考えていた。
五輪の文化的、物質的な遺産(レガシー)全体はまだ描ききれないが、国内外の選手の活躍にスポーツに目覚める子供が急増、文化施設増加、国民の関心が薄い種目が知られるようになり、競技者人口が増えるなどの効果が期待されている。