サンパウロ州サントス市で21日から22日早朝にかけて暴風雨と高波が起き、少なくとも60台の車やバイクが波で押し流されたり、水浸しになったりした。海辺のトレーラーや桟橋にも損害が出たが、怪我人や避難者は出ていない。23日付フォーリャ紙が報じた。
高波はバルトロメウ・デ・グスマン大通りまで押し寄せ、車の交通を妨害した。高潮は22日午後も続き、フェリー乗り場に繋がるグアルジャー方面行きの車線は22日午後6時にやっと開放された。強風や高波で、フェリーの運行は21日も何度も中断された。
サントス市内に宿泊していた技師のマリア・クリスチアーナ・ペレス氏は2台の車が浸水し、動けなくなってしまった。「サンパウロ市に帰ろうとしていたが、荷物や書類は皆水浸しになり、外出する方法もない」と語った。
ペレス氏の居た建物では、5台の車が半分以上水に浸かり、使い物にならなくなった。同氏によれば、今回のような自然災害が起きた際に住民に知らせるための警報も機能しなかったという。
同市の住民で、高波のために庭が破壊されたマリア・エレナ・ソウザ氏(74)は「47年間ここで暮らしているが、こんな状態は見た事がない」と話した。
サッカークラブ、ヴァスコ・ダ・ガマでは27台の車が水浸しになり、グラウンドの水を抜く作業も必要だという。
高波は釣り用の桟橋の手すりも破壊した。桟橋は4月にも同様の原因で壊れ、再建されたが、パウロ・アレクサンドレ・バルボーザ市長は、今回も再修復する必要があるとしている。
海洋水路・航行センターでは、海岸に2・5メートル以上の高さの波が押し寄せた場合を高潮と呼んでいるが、今回の高潮は、20日の寒冷前線通過によって起きた強い風や雨と満潮が重なって起きたという。