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セレソンのチッチ新監督(Rafael Ribeiro/CBF)
セレソンのチッチ新監督(Rafael Ribeiro/CBF)

五輪優勝効果はあらわれるか?=9月1日にW杯南米予選再開

 20日に悲願の五輪入賞を果たしたのも束の間、来週9月1日にはもうW杯の南米予選がはじまる。それに伴い、22日、1日のエクアドル戦から指揮を執るチッチ新監督が、出場23選手を発表した。
 そのメンバー選出には、五輪の影響が早くもにじみ出ている。フォワードには、ネイマール(バルセロナ)と前線で強力なカルテットを形成していたガビゴル(サントス)とガブリエル・ジェズス(パルメイラス)が選ばれた。また、大会中の失点を1点で防ぎきったセンターバックのコンビ、マルキーニョス(PSG)とロドリゴ・カイオ(サンパウロ)、そして、大会直前に無名ながら選出されて話題を呼んだキーパーのウェーヴェルトン(アトレチコ・パラナエンセ)も、優勝を土産に初のセレソン入りを果たした。
 今回の選出には、ブラジルのサッカー・メディアで絶賛されている、ミカーレ五輪代表監督の采配の影響が現れそうな気配が早くもある。五輪中は、ネイマール、ガビゴル、ジェズス、ルアンという4人のフォワードが超攻撃的な前線を築いたが、そのうちの3人が今回選ばれた格好となっている。ルアンのところには、五輪に続いて怪我で出場できないダグラス・コスタに代わってフィリペ・コウチーニョ(リバプール)やルーカス・リマ(サントス)が入ることが考えられる。あるいは、右ウイングのガビゴルの位置に、ウィリアン(チェルシー)かジュリアーノ(ゼニト)が入る可能性もある。
 あと、五輪中は通常のミッドフィールダーからボランチ寄りに後ろ目に守った、オーバーエイジ枠のレナト・アウグスト(北京国安)が、9月の試合でも同じ役を担う可能性が感じられる。
 それは、ドゥンガ監督までは必ず本職のボランチが4人選ばれていたのに、今回は3人しか選ばれていないことからも伺える。とりわけ、攻撃参加型の第2ボランチはパウリーニョ(広州恒大)しか呼ばれていない。この守備体系を保つには強力な守備型の第1ボランチが必要だが、五輪でワラシがつとめたポジションには、9月から、今年のレアル・マドリッドの欧州チャンピオンズ・リーグ制覇に貢献したカゼミーロが入る。
 また、レアルで良い働きを見せながら、ドゥンガ前監督の構想に合わずに召集を見送られ続けていた左サイドバックのマルセロが、9月からのセレソンの試合では、レアルでもコンビを組むカゼミーロと、息のあったプレーを見せてくれそうだ。右サイドバックにはドゥンガ政権末期からのダニエル・アウヴェス(ユベントス)が予想されるが、チッチ監督のコリンチャンス時代からの愛弟子ファギネルの可能性もある。
 キーパーは順当に行けばドゥンガ政権末期にレギュラーをつかんだアリソン(ASローマ)が有力だが、ミカーレ五輪監督が提唱した「キーパーも積極的に前に出て蹴る守備」を実践したウェーヴェルトンにもチャンスはあるかもしれない。(21日付UOLサイトより)