弾劾裁判2日目の26日は、午前中の上議同士の口論などもあり、予定されていたジウマ大統領の弁護側証人6人全員の証言が終わらず、一部が27日に持ち越しとなった。
27日は、ジウマ政権で企画相~財務相をつとめたネルソン・バルボーザ氏が証言を行い、ジウマ氏が財政責任法違反を問われている15年の連邦会計に関し、「会計の動きに関する行動を知っていたからというだけでは、大統領の責任にはならない」と答えた。ただ、その証言には現時点で既に圧倒的に不利な状況に置かれているジウマ大統領の形勢を逆転させるようなインパクトはなかった。
日曜日の28日は、原告側、被告(ジウマ氏)側ともに、29日以降に備えた作戦会議の日となった。被告側はルーラ前大統領がジウマ氏を訪れ、和やかに意見交換も行った。ルーラ氏は29日、熱心な労働者党(PT)支持者として知られる歌手のシコ・ブアルキらと共に傍聴席でジウマ氏の演説を見守った。
29日午前9時53分にジウマ大統領による自己弁明がはじまったが、それは規定時間の30分を越え、45分の長いものとなった。
ジウマ氏は、同氏は罷免されるに値するような犯罪はおかしておらず、「選挙に当選した人を罷免できるのは国民だけだ」と、自身が以前から求めている再選挙を問う国民投票を望んだ。
また、以前から繰り返し用い、一部で強い反撥を受けている、「自分はゴウピにあった」との言い回しをここでも繰り返し、ミシェル・テメル大統領代行を「反逆者」と呼んだ。
さらに、自身の人生に触れ「死ぬような思いは既に、軍政時代に政治犯として受けた拷問と癌を患った2010年に経験しているが、罷免は政治の死、民主主義の死を意味する」とした。
さらにラヴァ・ジャット作戦(LJ)に関しては、「私は常に捜査を支持してきた。だが、それ故に(LJで容疑をかけられた政治家などから)代償を求められる結果となってしまった」と語った。今回の罷免審議も、LJで容疑をかけられたエドゥアルド・クーニャ下院議長(当時)によってすすめられたものだとした。
ジウマ氏は自己弁明後に、上議たちからの質問を受けた。ジウマ政権の農務相で弁明直後に質問に立ったカチア・アブレル上議は同氏を擁護する発言を行い、ジウマ氏も自政権の実績を強調したが、昼食後の午後2時頃には14年の大統領選を戦ったアエシオ・ネーヴェス上議が「大統領選のときには政治指標をごまかし、不正も行ったのでは」と問い質すなど、厳しいやりとりが繰り返された。
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