2014年の統一医療保健システム(SUS)のデータによると、全伯5570市中476市では、癌による死者が循環器系疾患による死者を上回っていた事が判明したと2日付エスタード紙が報じた。
14年の場合、全国的に見て最大の死因は心筋梗塞や脳血管障害などの循環器系疾患だ。同年の死者の27・73%にあたる34万284人は循環器系疾患が原因で死亡している。この数は20年前の24万9613人より36%増えた。
これに対し、癌による死者は20万1968人から2万4613人に95%増え、死因としても全体の16・46%を占めた。癌は2000年以降、外的要因による死を上回り、死因の2位を占めている。14年の外的要因(殺人や交通事故、その他)による死者は12・79%だった。
A.C.カマルゴ病院癌センターのマリア・パウラ・クラード氏によると、癌による死者の急増は、平均寿命の伸びに、医薬品開発、以前なら死に至る病とされていた病気の治療が可能になった事などが重なって起きたと見ている。
端的な例は、20世紀前半は治療が困難だった肺結核で、ペニシリンの開発で致死率が激減。その一方で心筋梗塞や脳血管障害などの原因となる慢性病が増えた事で、次第に循環器系疾患が死因のトップを占めるようになった。
近年は循環器系疾患の治療効果も高まり、平均寿命が更に延びているため、以前なら癌にかかる前に死んでいたであろう人達も癌に苦しみ始めたという。
平均寿命が延びた事と癌による死者増加の関係は、癌が死因1位となった476市が、全国でも開発が進み、寿命も長い地域にある事からもうかがわれる。
癌が死因の1位となった市の76%は南伯と南東伯にあり、最も多い124市が位置する南大河州は、癌による死者の割合が21・64%を占めた。2番目に多いのはサンパウロ州の56市だった。
南大河州ポルト・アレグレのマイン・デ・デウス癌病院のアンドレ・ファイ医師は、同州で癌による死者が多いのは、平均寿命が他州より長めな事と、同州では欧州系の移民が多く、他州とは民族的な差や習慣の違いがある事も関係していると考えている。同州では喫煙者が多いため、肺、食道、咽頭、喉頭などの癌や脳腫瘍にかかる危険性が高い。また、同州の住民は白人系が多いため、皮膚癌も多いという。