ミシェル・テメル副大統領は4日、5日の両日、中国の杭州で行われたG20の会議に出席し、ブラジルの再建を誓った。今回の中国訪問で連邦政府は中国側に、2019年までに2690億ドルの投資を願い出て、提案も行っている。3~5日付伯字紙が報じている。
テメル大統領はG20サミット初日の4日、正式にブラジル大統領になったことを受け、中国の習近平国家主席からの紹介後にスピーチを行った。
そこでテメル大統領は、ブラジルの民主主義の成熟度と国民の忍耐強さを改めて主張した。
また、現在の経済状況は「コモディティの値上がりや先進諸国の経済政策、金融市場の変動のしやすさ」など、国際的に不確定な要素がいっぱいだとしながらも、そこからの経済再建を誓った。
5日には、日本の安倍晋三首相、イタリアのマテオ・レンツィ首相、スペインのマリアーノ・ラホイ首相と会談を行うなど、積極的な外交を展開した。
今回の中国訪問で連邦政府がアピールしたがっているのは「経済復興」だ。とりわけブラジルが頼りにしたいのは、中国の存在だ。
中国の企業がブラジルでのインフラのために150億レアルの投資を行うことは3日付本紙でも既に報じたが、それだけではない。3日付伯字紙によると、2日に上海で行われた経済セミナーにおいて、エンリケ・メイレレス財相は、中国企業に対し、2019年までに2690億レアルの投資を求めたという。
同財相は、ブラジルは他の新興国や先進国と異なり、依然としてサービスの改善を求めている現状を説明し、インフラ部門にはまだ市場の余裕があることを強調した。
そこでは、どの部門で投資が必要になるかが、エスタード紙いわく「カルダピオ(メニュー)」のように示された。それらは石油や天然ガス、電力、鉄道、空港、高速道、通信、保健衛生などに及んでいる。
連邦政府は今回、大型投資をと中国に呼びかけているが、ブラジルによる中国製品の輸入は大きく落ちている。16年上半期の場合、ブラジルにおける中国からの商品輸入は前年同期比で34・2%も落ちている。これにより、中国全体の輸出総額に占めるブラジルへの輸出額は、207年以降で最少となる115億ドル(0・99%)まで落ち込んだ。
輸入が減った主な項目は電気・電化製品(38・7%)や衣類・アクセサリー(53%)で、ブラジルの経済活動が停滞していることや国民の購買力低下が招いたものと見られている。
ブラジルとしては、中国からのインフラ投資を積極的に呼びかけることで、同国との貿易関係をより安定したものにしたいところだ。