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鹿児島県人会=新会館購入巡り議論紛糾!=臨時総会で新旧会長が激突=「バカげてる」中途退場も

紛糾する議論に頭を抱える松村会長

紛糾する議論に頭を抱える松村会長

 鹿児島県人会(松村滋樹会長)は先月27日、新会館購入決議のため、サンパウロ市文協5階の県連会議室で臨時総会を招集した。理事会で絞られた三つの最終候補の中から一つを選んで、本年中に購入するか否かを今回決定するはずだった。ところがこれまでの不満が噴出し、新旧会長が激しく対立。2時間に渡る激論の末、2年も引き延ばされてきた会館決定は、再び先送りされた。

 午前10時からの臨時総会で、20人以上の会員を前に議長の井料堅治さんは「臨時総会開催にあたって、大きなわだかまりを持っている」と意味深な発言。重々しい雰囲気のなか園田昭憲前会長が開口一番、「臨時総会を一会員として無効と判断する」と発言すると、衝撃が走った。
 監査役でもある園田前会長は、定款に従って臨時総会が開催されたかや議長資格の正当性を巡り、手厳しく追求。「開催を決議した際の議事録を見せて下さい」と詰め寄ると、「横槍を入れるんじゃない」と野次が飛ぶ場面も。理事会出席者の証言により事実関係が確認されると、臨時総会続行に落ち着いた。
 園田前会長は「会館購入は非常に重要な決定事項。売却した前会館は維持管理が非常に大変で、苦い経験があった。だからこそ将来に禍根を残さないように慎重にやって欲しい。理事会でどの物件を購入するか決めた上で採決を取らなければ決まるわけがない。理事会でまだ煮詰まってない」と苦言を呈した。
 これが、会館売却により不満を溜めてきた会員や、200件以上の候補物件に足を運んで会のために奔走してきた松村会長の気持ちを逆なでする結果となり、緊張感が一気に高まった。
 松村会長が「会館売却後、新会館購入になぜ道筋をつけてくれなかったのか」と詰め寄ると、園田前会長は「売却後の入金が遅れ、買える状況ではなかった。候補地は当たっていた」と弁明。
 会員の鮫島義隆さんからも、「そもそも売却と同時に購入を決めないからこういうことになったのでは」と追求すると、園田前会長は「犯罪を犯したという意識がある」と強い言葉で自責の念を表現した。
 14年4月にサンパウロ市高級住宅街パカエンブー区にある会館売却以来、会館がないために苦労を重ねてきた。日本祭りの郷土食準備もレストラン・サムライの厨房を借用した。松村会長は「理事会では誰も何も意見を言わず、最終的には金額が高いことを理由に否決される事態が続いた」という。良いと思われる物件も、結果的に見逃してきた忸怩たる思いがある。
 三つに絞った候補の中からズルズルと長引いていた購入決定に、松村会長としては「今度こそ、この場で蹴りをつけたい」との思いで臨時総会に望んだ。
 今回決定するか否かの議論が続き、「もう一度理事会で案を練って、再度臨時総会を開けないのか」と渋っていた衣料議長も「会長の意見に添って本日決めましょう」との最終判断に達したのが約2時間後のこと。
 いよいよ肝心の物件説明が始まると、新候補物件に対して「まだ実際に見ていない人がいるのに、今決めるのは不当だ。バカげている」と吐き捨て席を立つ会員も。決議は結局次に見送られることになった。会議を終えた松村会長は、肩を落としながらも「県人会のことを思うがゆえに、激しい議論のぶつかり合いがあった。それは非常に良いこと」と前向きに捕らえ、早期合意に意気込みを見せた。


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 まるで幕末を思わせる熱い激論が交わされた薩摩藩、ならぬ鹿児島県人会――。途中で過去の火種が再燃し、一時平行線となった議論ではあったが、「売却した時から購入することは決まっていた」「中古物件を購入する以上は理想郷などありえない」「混迷する政治経済情勢のなかで、何が起こるかわからないから早く購入をしたい」と新規購入する基本線ではすでに合意している。あとは三つから一つを選ぶだけ。誰か〃南洲翁〃のような、皆を納得させる人物はいないものか。