1日のエクアドル戦でチッチ新監督に白星スタートをプレゼントしたセレソンが、6日のコロンビア戦も2―1で快勝。「W杯南米予選敗退の危機」も叫ばれていたセレソンだが、この連勝で2位に浮上した。
この連勝中、世間の注目は、2試合連続得点を決めたエースのネイマールや、エクアドル戦でのセレソン・デビュー戦をいきなり2得点で飾った19歳のセンター・フォワード、ガブリエル・ジェズスに集まりがちだが、チッチ監督が特にほめたのはボランチのカゼミーロだった。
カゼミーロといえば、今年5月に欧州チャンピオンズ・リーグで世界一に輝いたレアル・マドリッドのボランチだが、昨年までレンタル移籍で修行していた身とは思えぬ貫禄で、その成長振りがしばしば絶賛されている。リーガ・エスパニョーラでの対バルセロナ戦でメッシの攻撃を封じた際は「タンク(重戦車)」などと称され、新聞の一面を飾ったほどだった。
チッチ監督ももちろんカゼミーロの活躍には期待していたが、試合後は「コロンビアの攻撃ラインと(エースの)ハメス(・ロドリゲス)をマークしろとは言ったが、まさかあそこまでやってくれるとは。中盤は完全に彼が支配していた」と大喜びだった。
実際、この試合でのハメスは、「カゼミーロのポケットの中に隠れていた」と言われるほど、ボールを奪いにいけない展開が続いていた。
さらにカゼミーロによる相手攻撃陣のパス・カットも、エクアドル戦で5回、コロンビア戦では8回記録。相手にチャンスらしいチャンスを作らせなかった。
チッチ監督は、かつての名選手として有名なレアルのジダン監督と対談したことも明かし、「カゼミーロがチームにバランスをもたらしているとジダンも言ってたんだ」と語っていた。
このカゼミーロがセレソンの正ボランチとして定着したことで、レアルのチームメイトである左サイドバックのマルセロも使いやすくなった。攻撃力には定評がありながら、守備の粗さからドゥンガ前監督には好まれなかったマルセロが、安心して積極的に前に向かうプレーが出来ていた。
またチッチ監督は、この2試合でいずれもウィリアンに代わって途中出場し、コロンビア戦でネイマールの決勝点をアシストしたフィリペ・コウチーニョも褒め称えた。
「コウチーニョは元来、左側のプレーを得意にする選手だが、今回は右で試してみたらうまく行った。彼のプレーにも幅が出てきた」と嬉しそうに語った。
カゼミーロとマルセロ、コウチーニョはいずれも、ドゥンガ前監督が使い損ねていた例としてしばしば名前があがっていた選手だった。(7日付グローボエスポルテなどより)