ホーム | 日系社会ニュース | サンタクルス病院=初の国際セミナーを開催=大阪大と共催、連携強化へ

サンタクルス病院=初の国際セミナーを開催=大阪大と共催、連携強化へ

講演する中田センター長

講演する中田センター長

 サンタクルス日伯慈善協会(石川ヘナト理事長)は、大阪大学国際医療センターと共催で、初開催となる国際セミナーを先月26日、サンパウロ市内のブルーツリーパウリスタホテルで開催した。
 同校との共同事業は今回が初。ブラジルで育ち医師免許を両国で取得したという、同センターの南谷かおり特任準教授の協力で実現した。
 将来的に協力覚書を交わし、連携強化によって最先端をゆく日本の予防医療を導入することが目的。具体的には、定期健診の習慣が根付いていない当地で、関連技術やノウハウを積極的に取り入れ南米一の病院を目指す。
 セミナーでは石川理事長、中田研センター長、続政剛元保健大臣、中前隆博在聖総領事らが出席し、あいさつを述べた。中田教授は「海外拠点以外での開催は今回が初。長寿大国である日本が得た予防医療の知見を、同病院との協力を通じて広くブラジルに発信したい」と意気込みを見せた。
 中前総領事も、厚生労働省とブラジル保健省との間で締結された覚書協力によって、医療分野での協力が益々進展してきたと言及し、「課題先進国として日本が努力し学びえたものを、世界に発信することは大きな国際貢献になる。その意味において今回のセミナーは大変意義深い」と語った。
 講演では整形外科、脳神経など様々な領域に関連したテーマについて、14人のパネリストが登壇した。中田センター長は、半月板損傷に対するコラーゲンの補填材を用いた治療法を紹介。再生医療の最先端や予防医療の可能性に大きな関心が集り、その後の質疑応答でも活発に意見が交わされた。