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五輪の現場から=(5)=完売だが満席でない現実

車いすを巧みに操り迫力満点のプレーを見せる選手達(Tomaz Silva/Agencia Brasil)

車いすを巧みに操り迫力満点のプレーを見せる選手達(Tomaz Silva/Agencia Brasil)

 7日に開幕したパラリンピック。初の週末となった10、11日のバーラ地区五輪パークへの人出は五輪を上回るほど。大会はここまで順調だ。
 「チケット販売はうなぎ登り」と組織委は胸を張っているが、完売のはずの種目でも、実際に会場に足を運ぶと空席が目立つ。組織委は「1枚のチケットで数試合観戦できるので、お目当ての試合が終わったら帰る人がいる」ことを理由に挙げる。東京五輪では大いに改善の余地がある点だ。
 コラム子が観戦した車いすバスケは9時から17時過ぎまでで計4試合が観戦できた。だが、観客の体力、集中力にも限界がある。徐々に観客は減っていき、最後の男子アメリカ対イギリス戦は寂しい客の入りだった。
 組織委の「完売はした。4試合見られてオトクでしょ? 空席は客側の問題」との見解はいかにも「開き直り」的だ。
 炎天下の五輪パークを、そろいのポロシャツで視察する東京都の職員を何人も見かけた。彼らはブラジル式泥縄運営ではなく、「2020年7月24日の五輪開幕まであと3年10カ月強しかない」の強い意識で取り組んでいることだろう。
 選手らの神業は、背景に満員の観衆があってこそ栄える。リオを他山の石として、この問題解決に取り組んでほしい。(規)