ジェラウド・アウキミン知事のサンパウロ州政府の資金に依存しているパウリスタ都電公社(CPTM)が、乗車賃以外の収入増のため、サンパウロ市中央部のブラス駅にホテルや商業施設、オフィスビルなどを併設する計画を進めている。この計画は地下鉄5駅で建設された商業施設に続くものだ。14日付フォーリャ紙が報じた。
ブラス区は大衆商用地で、ブラス駅の利用者数は1日16万5千人、20225年には22万人に達する見込みだ。CPTMは、商業施設内の食の広場は同地域を訪れる買い物客や労働者、ホテルは他市から買い物に訪れた人が利用すると期待している。また、遠方からの長距離バス駐車場も建設される予定だ。
ショッピングセンターは、駅の隣の長距離バス会社ウニアンが所有する土地に建設される。この土地には同社の事務所と車庫を兼ねた倉庫と、建設の際に所持権譲渡が必要な小さな家が建っている。ショッピングセンターの入り口は、CPTMの10~12号線や地下鉄第3号線の通路を兼ね、既に様々な店や食の広場などもあるブラス駅の中二階と接続することになっている。
施設の建設や運営は民間のコンソーシアムが担当し、収益の一部をCPTMが見返りとして受け取る。施設の建設開始時期は未定で、変更なども予想される。CPTMは昨年、駅構内の商業施設から1160万レアルの収益を得た。15年の場合、乗車賃以外の収入の合計は、同公社の収入の2・5%にあたる5670万レに達した。
駅に併設した商業施設が機能し始めた場合の収入は、ショッピングセンターだけで年4600万レとされ、切符の売り上げを足すと1億8600万レが見込まれる。CPTMでも、高齢者や学生など無料の乗客の割合が増加しており、確実な収入増は課題の一つだ。