15日午後、グローボ局で放送中のノヴェーラ「ヴェーリョ・シコ」の主演俳優、ドミンゴス・モンタグネル(54)が、同番組撮影の休憩中にロケ現場の近くのサンフランシスコ川で泳いでいて、溺死する事故が起こった。16日付伯字紙が報じている。
「ヴェーリョ・シコ」の撮影はアラゴアス州との境にあるセルジッペ州カニンデー・デ・サンフランシスコで行われていて、15日も午前中の撮影を終えた後、昼休みを取ってから撮影を再開することになっていた。
ドミンゴスはこの休みを利用して、共演女優のカミーラ・ピタンガと共にサンフランシスコ川に行き、泳いでくつろぐ予定だった。
二人は岸から300メートルほど離れた岩まで泳いで行ったが、この辺りは川の流れが強く、非常に危険な所だ。
川の流れが強くなったことに気づいたカミーラは、岩にしがみつき、難を逃れたが、一緒にいたドミンゴスは、岩にたどり着くことができなかった。カミーラは2度、ドミンゴスの腕をつかんで引き上げようとしたが、ドミンゴスは流れにさらわれ、2度水上に顔を出したのちは、渦の中に落ちていった。
岸にいた人々はカミーラの叫び声に気づき、すぐに捜索願いを出したため、ヘリコプターや船を導入した捜索が行われたが、18時50分、公式にドミンゴスの死亡が発表された。彼は、水中に消えた地点から50メートル離れた、水深18メートルの地点で岩に足を取られた状態で溺死していたという。
「ヴェーリョ・シコ」はブラジル全体で最高視聴率を記録するグローボ局夜9時台のノヴェーラで、サント・ドス・アンジョス役のドミンゴスは、カミーラと共に主役級の扱いだった。
3月にはじまったこのノヴェーラは9月30日が最終回で、最終収録日は18日の予定だったが、この事故を受け、グローボは撮影打ち切りも発表した。撮影を終えていない部分を、主演俳優がいない状況でどうするのかの判断は明らかにされていない。
この事故現場となった地域は1994年に作られたシンゴー水力発電所のダムのそばで、水深は最大120メートルに及ぶとも言われている。ここでは2005年以降、12人が水死しており、今年のはじめにも10代の少年がヨットから転落して死亡したという。
ドミンゴスは1962年2月にサンパウロ州エンブー・ダス・アルテスで生まれ、劇やサーカスで活躍後にテレビに出演し始めた俳優で、女優の妻と13歳を頭に3人の男児を残してこの世を去った。