パラグアイ日系人移住80周年式典にあわせ、兵庫県の荒木一聡副知事ら県庁一行が来伯した。10日にサンパウロ市のニッケイパラセホテルで兵庫県人会(松下瞳マルリ会長)から歓迎を受けた後、11日に友好提携先のパラナ州都クリチーバ市で兵庫県主催の「ひょうごセミナー」を開催。12日にはカルロス・アルベルト・リッシャ州知事と会談し、昨年の姉妹州県45周年に触れて、両政府間の連携強化を確認した。
10日、パラグアイから来伯した荒木副知事ら4人を迎えるため、兵庫県人会の役員ら11人が温かく歓迎。松下会長が「県人会活性化のためには、いかに若者を集めるかが鍵となる。そのためには研修留学制度が重要」とこれまでの感謝と今後の継続を求めた。
荒木副知事は「絆は一日にしてできるものではない。人や時代が変わっても、顔と顔が見える交流を続けていかなければ」と語り、「世代間の思いの違いをどう捉え、兵庫県として何ができるか。長く交流を続けていくことを約束します」と展望を語った。
11日、クリチバ市の兵庫姫路会館で開催された「ひょうごセミナー」では、当地の日系団体や日伯企業関係者、同州政府関係者、一般人ら70人以上で賑わい、荒木副知事が、経済、学術、技術、環境などの分野で兵庫の魅力を紹介した。
パウロ・シュミット州補佐官からは、「83年の工業技術センター建設の際、兵庫県からはJICA支援の調整や何年にも渡る技術者派遣などの協力を頂き、現在の工業技術の礎を築いて頂いた」と感謝を述べるとともに、提携45周年で合意された再生可能エネルギー分野での今後の協力が要請された。
12日、イグアス宮殿を訪れた一行は、リッシャ州知事と会談。「州開発は日系社会に負うところが多い。関係をさらに拡大し強化することでさらなる成果がもたらされるはず」と賞賛した。
また、昨年合意された再生可能エネルギー分野での協力に関して、太陽光や風力発電などを機能的に普及させてゆくことを課題としており、環境センター設立を構想中だ。そのための技術及び情報交換などへの協力が提案された。
リッシャ州知事は「この友好提携は日伯交流の柱。州にとって、この提携は大変重要であり、双方の絆をさらに深めるのに貢献できることは光栄だ」として、今後の関係強化に期待を寄せた。