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ブラジル世論調査=根強い男性優位主義の偏見=3割が「強姦は女性の責任」

 ブラジルの世論調査で「刺激的な服を着るような女性は強姦されても文句が言えない」との設問に、ブラジル国民の3分の1、女性に限っても3割が賛成と答えたと21日付現地各紙が報じている。ブラジルでは年間5万件の強姦事件の被害届が出されており、実際の発生件数は50万件と見込まれる。
 調査は8月初旬にブラジル全土217都市3625人に対して行われた。女性の85%が性暴力の被害に遭うことを恐れているとしており、北東部に限るとこの数字は90%に達する。
 60歳以上の年齢層の44%は、「刺激的な服を着るような女性は強姦されても文句は言えない」に賛成と答え、16歳から34歳の年齢層では23%に減少した。
 教育レベルも回答の傾向に一致した。中卒者の47%は賛成と答え、大卒者の賛成の割合は19%だった。
 「強姦は、やってはいけない事と子供に学校で教えるべき」に対しては全回答者の91%が賛成と答えた。「ブラジルにこびりついた男性優位主義は教育で取り除くしかない」とブラジル公共保安フォーラム副会長を務める社会学者レナト・セルジオ・デ・リマ氏は言う。
 調査はまた、強姦への警察の対応に国民が不満を抱いていることも浮き彫りにした。軍警は性犯罪被害に遭った女性への対処の準備ができていないと50%が答え、42%は市警もできていないと答えた。「杜撰な調査が裁判の段になって、被疑者の無罪放免を引き起こしている」と社会学者のワニア・パシナート氏は語った。