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ブラジル会計検査院=ジウマ前大統領の私有財産凍結を提案=アメリカ製油所購入に伴う巨額損失で=「もうお蔵入りの件」とジウマ氏

22日にサルヴァドールで行われた労働者党派集会でのジウマ前大統領(Roberto Stuckert Filho)

22日にサルヴァドールで行われた労働者党派集会でのジウマ前大統領(Roberto Stuckert Filho)

 ブラジル連邦会計検査院(TCU)が19日付けで作成した提案書に、ジウマ前大統領(労働者党・PT)を含むペトロブラス(PB)社旧経営審議会の委員の私有財産凍結請求が含まれていたと24日付現地紙が報道した。
 旧経営審議会の委員は、PB社が米国テキサス州のパサデナ製油所を購入した時の巨額損失の責任者と位置づけられた。当時の委員の私有財産凍結提案が出されるのは初めてのこと。2006年にPB社が同製油所を購入した際、ジウマ氏は当時のルーラ政権官房長官と共に経営審議会議長を務めていた。
 同検査院の提案書には、「少なくとも2億6600万ドルの巨額損失の責任は、当時の経営審議会の委員にある」とあいる。財産凍結は当面1年間を予定、損害賠償に進む可能性もある。
 ジウマ氏の他に私有財産凍結を求められているのは、アントニオ・パロッシ元財相、企業家のクラウジオ・ハダジ、ファビオ・バルボーザ両氏、グリューベル・ヴィエイラ陸軍大将、セルジオ・ガブリエリPB社長(当時)などがいる。
 05年に同製油所の全株式をわずか4200万ドルで購入していたベルギーのアストラ・オイル(A)社に対し、PB社は翌06年、同株式の半分に3億5900万ドルを支払った。12年、契約の詰めの甘さからPB社は残り半分の株式に、さらに8億2千万ドルをA社に支払い、支払い総額は11億7900万ドルに達した。
 この提案書は、連邦会計検察庁のパウロ・ブガリン長官に送られ検討されるが、特に期限は設けられていないという。
 26日午前9時52分付エスタード通信によれば、ジウマ氏は書面で「この件はもう古い話。2014年にロドリゴ・ジャノー連邦検察庁長官がお蔵入りにした」とコメントしている。