ジェイコブ・ルー米国財務長官は27日、急遽ブラジルを訪問し、ブラジルに好意的な演説をして去ったと28日付ブラジル現地紙が報じた。
ルー長官はテメル大統領、メイレレス財相、イラン・ゴールドファジン中銀総裁とブラジリアで面会し、新政権の掲げる改革プランへの期待感を表明し、「消費者側にも投資家側にも、景気回復への信頼感が出てきている。ブラジルは経済再建の準備ができている」と発言した。
ルー長官は、新政権の改革案の効果が具体的に出てくると共にブラジルへの信頼感はより高まっていくと説明した。
テメル大統領は下院議長の経験もあり、改革を推進するために必要な議会運営にも長けているだろうとアメリカ側は見ている。
しかしルー長官は、「ブラジルが直面した100年に1度の規模の不況の後、テメル政権がどのように経済の建て直しを図るかを米国は注視している」とも語り、改革に期待を寄せつつも、それが簡単な道のりではないことも再認識した。ルー長官また、米国は、ブラジルに対し、貿易市場の開放を進める用意がある事も明らかにした。
今回のルー長官のブラジル訪問は、ジウマ前大統領の罷免成立、テメル新政権発足後、初の米国高官によるブラジル訪問となった。