サンパウロ市の弁論大会が今年で第10回を迎え、その記念に第1、第2回の優勝者から激励のビデオメッセージが寄せられた。2人とも日本で就職したと近況報告があり、「ちゃんと橋渡し的な人材が育っているんだな」と感じ入った。
「弁論」では語学能力とともに、社会問題を提起し、共感を呼ぶ意見を言わなくては高評価につながらない。上位入賞のためには、日本との比較など考察も大切だ。日本のことを学べば、訪日時の予行演習にもなる。
単に語学能力だけでなく、「性根」の部分がしっかりするから、「弁論」の部から優秀な日語話者が育っている。ここは人材の宝庫だ。
優秀者にはJICAとの連携で訪日枠を増やすとか、研修参加へ優遇があるとか、もっと大会の価値を高める取り組みもあっていい。運営側も学習者の気概に応える意味で、「訪日機会の増枠」を積極的に試みてほしい。(祐)