平成28年度外務大臣表彰伝達・祝賀式が27日、在聖総領事公邸で行われ、アルビラ・アペルさん(52)、若林和男さん(85、兵庫)、本橋幹久さん(80、鳥取)の3氏が受賞した。家族、友人ら約40人が見守る中、中前隆博総領事から賞状と記念品が授与された。
アペルさんは南麻州カンポ・グランデ市で、日系人経営の沖縄ソバ屋28店舗によるフェイラ・デ・ソバの会長を、2006~10年に務めた。8月に同市で開催されるソバ祭りには毎年10万人が来場しており、沖縄そばは同市の無形文化財に認定されている。
受賞に改めて感謝したアペルさんは、これからの活動について「人種や考え方などの違いもあるが、さらに日伯関係強化に貢献したい」と意気込んだ。
画家の若林さんは約50年にわたり当地で芸術活動に励む。サンパウロ国際ビエンナーレを含む数多くの展覧会に参加し、ブラジル外務省賞をはじめ数々の賞を受賞した。漆工芸の技法や、日本の古典から引用された図柄を活かした作品を多く発表している。
「美術家の仲間の中で自分がたまたま受賞した」と謙遜し、「美術家として名前が残ったが、コロニアの一員でいれることが嬉しい。色々な人に支えて頂き感謝している」と礼を述べた。
本橋さんは県連副会長、会長を歴任し、県連日本祭りへの日本政府参入に貢献した。また、日本の地方自治体との交流促進、南米他国の日系社会との交流にも尽力した。
受賞あいさつでは、「寝る前になんと言おうか考えていたが、結局思いつかなかった」と照れ笑い。県連会長職については、「一生懸命職務を果たしてきたつもりだが、今回の表彰は自分ではなく、県連全体が表彰されたと思っている」と関係者に感謝した。
中前総領事は3氏の受賞に「文化、美術、友好親善にそれぞれ貢献された」と称賛。表彰状を手渡し、記念撮影や懇談など和やかに終了した。