選挙高等裁判所(TES)のジウマル・メンデス長官は2日朝、今回の選挙を「これまでで最も暴力的な事件が多発した選挙で、ブラジルの治安悪化の表れ」と評したと2日付現地紙電子版が報じた。
選挙期間中、選挙絡みの暴力事件が多発するリオ市大都市圏などを視察した同長官は、「国の治安悪化が選挙に影響している。12年の地方選より暴力事件は多い。全国で400以上の自治体が警備のための軍派遣を求めた。選挙絡みの暴力事件は組織的犯罪集団と関係がある」とも語った。
刑務所暴動に端を発し、9月からバス焼き討ち事件などが多発している、ブラジル北東部のマラニョン州には軍兵士や国家治安部隊員1300人が派遣され、選挙施設の警備に当たった。1日にラウル・ジュングマン国防相と共に同州を訪問した同長官は、「犯罪者達は選挙期間を利用して騒ぎを大きくすることを狙っている。有権者は恐れず、投票しに行って欲しい」と語った。
メンデス長官は、今回選挙は、企業献金の禁止など新たな制度下での〃実験的要素の大きな選挙〃だったと定義した。企業献金禁止で、各陣営が隠し口座を使う可能性は高まった。メンデス長官は、10月30日の決選投票後は選挙資金の流れの精査が必要で、結果に則した新たな選挙制度改革案も提案されるべきとした。
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