2日に行われた全国市長選は、ジウマ前大統領の罷免やラヴァ・ジャット作戦に揺れる労働者党(PT)が、市長当選者数ランキングで屈辱的な10位降格を招き、民主社会党(PSDB)の躍進を生む結果となった。3日付伯字紙が報じている。
PTはサンパウロ市でフェルナンド・ハダジ氏が敗れたほか、パライバ州ジョアン・ペッソアやゴイアス州ゴイアニアでも市長の座を失い、当選が決まった州都はアクレ州リオ・ブランコのみだった。ペルナンブッコ州レシフェではジョアン・パウロ氏が決選投票に進んだものの、1位候補は既に49・34%を獲得している上、3位が最大政敵のPSDB候補なので、勝算はほとんどない。
PT候補当選が州都ひとつのみに終われば、1985年の選挙以来、31年ぶりのこととなる。また、PTは、サンパウロ州のオザスコ、サンベルナルド・ド・カンポ、グアルーリョスといった強い地盤でも市長を失った。
さらに市長の総数ランキングでも、PTは、3位だった前回12年の638人から250人へとその人数を半分以下に減らし、10位という、屈辱的な結果となった。
市長数ランキング上位10政党は、ミシェル・テメル大統領の民主運動党(PMDB)を筆頭に、PSDB、社会民主党(PSD)、進歩党(PP)、ブラジル社会党(PSB)、民主労働党(PDT)、共和党(PR)、民主党(DEM)、ブラジル労働党(PTB)、PTの順となった。
今回の選挙で躍進したのはPSDBだ。同党は市長選当選者数が791人と前回より95人(15・3%)増えた上、現時点でサンパウロ市を含む2州都で当選。決選投票にも8州都で進んでおり、その結果次第では、ベロ・オリゾンテやポルト・アレグレなどの大型都市でも同党市長が生まれる可能性がある。サンパウロ州内では半数以上の市でPSDBの候補が当選した。
またサンパウロ市同様に注目度の高かったリオ市は、本命のマルセロ・クリヴェラ氏(ブラジル共和党・PRB)とマルセロ・フレイショ氏(社会主義自由党・PSOL)との決選投票となった。同市では、急進左派の小政党・PSOLのフレイショ氏が、現職のエドゥアルド・パエス市長(PMDB)が推すペドロ・パウロ氏に勝ったことが話題を呼んでいる。ルーラ元大統領が推していたジャンジーラ・ファガーリ氏(ブラジル共産党・PCdoB)は6位に沈んだが、これは左派がフレイショ氏に流れたためで、ここでもPT離れは象徴的だった。
タグ:テメル大統領 サンパウロ PT PSDB PSD PSB ハダジ PMDB ルーラ 写真ニュース ラヴァ・ジャット