2日のサンパウロ市議選で、異色の経歴を持つ若い候補が当選した。フェルナンド・ホリデイ氏(20、民主党・DEM)、サミア・ボンフィン氏(27、社会自由党・PSOL)、ジャナイーナ・リマ氏(32、ノーヴォ・NOVO)の3人だ。
政策、会派の違いこそあれ、市民運動での知名度を活かし、旧来の政治家に倦んだ有権者の票の受け皿となった新人達の横顔を、4日付現地紙が報じた。
最もインパクトが大きいのは、ジウマ前大統領の罷免運動の一翼を担った「ブラジル自由運動(MBL)」出身で、最年少市議となるフェルナンド・ホリデイ氏だ。黒人で、同性愛者である事を公表するも、黒人の大学優先枠には反対している。
市議就任に当たり、給与の2割を慈善団体に寄付することを公約しているホリデイ氏は、不動産譲渡税やサービス税を減税し、両部門の活性化を図るべきとしている。
女性では最年少の新サンパウロ市議、サミア・ボンフィン氏は、「ドリア新市長の〃靴の中の小石〃になる」と言う。「無賃乗車運動(モヴィメント・パッサ・リヴレ、MPL)」参加後、フェミニズム運動の熱心な活動家となった彼女は、家庭内暴力の被害に遭った女性への法的、心理的援助や、彼女達の経済的自立を支援するためのサポートセンターを作る事を主要公約に掲げている。
弁護士のジャナイーナ・リマ氏も異色の経歴を持つ。彼女はジウマ前大統領罷免運動の一翼を担ったヴェン・プラ・ルア(VPR)の中心人物で、ジェラウド・アルキミン、サンパウロ州政で要職も務めた。彼女の公約政策は公共事業の民営化推進だ。「企業家をサポートする、便利な役所の出張所を作りたい」と語る彼女は、サンパウロ市立校に起業論や金融リテラシーの科目を設けたいとしている。
多くの新人市議同様、リマ氏も市議の給与の一部返納を公約している。