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第2アリアンサ=史料館落成「移民史を後世に」=収集重ね農具や家具を展示

貴重な史料が収められた移住史料館

貴重な史料が収められた移住史料館

 入植90周年を迎えたサンパウロ州ミランドポリス市の第2アリアンサ移住地(鳥取村)に、アリアンサ移住史料館が落成した。同村出身の佐藤勲さん(76、二世)を中心として、旧組合従業員住宅を改築して造られたものだ。
 同村は1926年8月7日、鳥取および信濃両海外協会が5250アルケールの土地を購入して創設。鳥取県大岩村(現岩見町)の村長だった故橋浦昌雄氏が移住し、初代理事を務めた。後続移住者を迎えるため収容所を建設し、その跡地が現在の史料館となっている。
 入植初期に使用された農具や家具、活版印刷機など当時を感じさせる史料から、小学校や記念式典の写真など、同村の貴重な展示物が収められている。また2000年頃から情報収集を積み重ねた土地一覧や家計図など、入植者の情報が事細かに日ポ両語で纏められた史料も公開された。
 史料館はまだまだ未完成といい、今後さらにポ語での説明など拡充を図っていく。案内に来社した佐藤さんと橋浦行雄さん(91、鳥取)は、「先人の希望と努力によってつくられた移住地。それを忘れずにいてほしい。歴史を保存し、次世代がルーツを学ぶことで、村の活性化に繋がれば」と期待を語った。