15、16日にインドのゴアで開かれる第8回BRICS(ブラジル、インド、ロシア、南アフリカ、中国の5カ国)首脳会議を直前に控え、中国がBRICS内を自由貿易エリアとする構想を持っている事が明らかになったと11日付ブラジル紙が報じた。
取材に対し、在ブラジリア中国外交筋は、「ブラジルが直ちに中国と共同歩調を取ることを期待するものではない」とした。
中国側は、5カ国の自由貿易は、協力体制の証として意義深いと見ている。北京で開かれた会見で、中国商務部の沈丹陽報道官は、「BRICS内自由貿易の成立は、各国の利益となる。交互の投資も促進し、国際競争力を高め、ひいてはブラジル、南アフリカの所属する南半球共同体の発展にも寄与するだろう」とした。
同提案は公式なものではないが、中国政府は国内外を問わず、経済関係者がこれを支持し、他の4カ国にも自由貿易エリア制定の歓迎気運が高まる事を期待している。
課題は、5カ国の主要輸出品には、原料などのコモディティ製品が多く、補完関係が成り立ちにくい事と、ブラジルは南米南部共同市場(メルコスール)に加盟しているために、単独で外国と自由貿易協定を結ぶことができない事情などがある。
BRICS会議では、加盟5カ国が運営する新開発銀行(BRICS銀行)を設立し、独自の経済格付け会社を設立する構想も14年7月から検討されている。
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