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リオ五輪の夢、閉会からたった50日で悲しい現実に逆戻り=コパカバーナ近隣で銃撃戦

パヴォン・パヴォンジーニョに展開する軍警(Fernando Frazao/Agencia Brasil)

パヴォン・パヴォンジーニョに展開する軍警(Fernando Frazao/Agencia Brasil)

 リオ五輪閉会からちょうど50日、特別警備体制の敷かれた大会期間中には決して起こらなかった、リオの悲しい現実が戻ってきた。有数の観光地、市内南部のイパネマ、コパカバーナの住人は10日、恐怖に震える一日を過ごした。
 両地域の境目にあるパヴォン・パヴォンジーニョと、カンタガーロ複合スラムで、軍警と麻薬組織との銃撃戦が発生し、麻薬組織3人が死亡、軍警3人が負傷したと10、11日付現地紙、サイトが報じた。
 負傷者にはPP駐留の平和維持部隊(UPP)隊長を務めるビニシウス・デ・オリベイラ大尉も含まれていたが、3人とも命に別状はない。
 銃撃戦は午前9時に、ファヴェーラに駐留する軍警部隊に対して、PP一帯の麻薬組織のボス(通称サムーカ)が率いる犯罪集団が攻撃を仕掛けた事で始まった。
 サムーカは08年より、リオ市の東隣に位置するニテロイ市の刑務所に服役していたが、今年の5月14日、母の日の恩赦で出所していた。サムーカは出所後、根城にしていたパヴォン・パヴォンジーニョに戻っており、彼の帰還後治安は悪化していた。
 銃撃戦はスラムの内部で起きていたが、絶え間なく響く銃声は遠くまで聞こえた。リオ有数の観光地、コパカバーナやイパネマ地区の住民、商店主、観光客を恐怖に突き落とすには充分で、近隣商店の多くは午前中にシャッターを閉め周辺道路は閉鎖された。
 最も緊張が高まった瞬間は、切り立った山肌に逃げた麻薬組織と、ヘリに乗り込んだ軍警との間の銃撃戦で、撃たれた犯罪組織の男が高さ30メートルの崖から転落したシーンだ。この様子は近くの住民が撮影しており、10日夜の各局TVニュースで繰り返し流れた。