ペトロブラス(PB)が14日、15日午前2時から、ガソリンの出口価格を3・2%、ジーゼル油は2・7%値下げすると発表したと15日付現地紙が報じた。
今回の燃料価格値下げは国際価格の低下と国内消費減少、輸入業者との競合激化が原因で、今後は毎月、価格を見直す。2カ月に1度は調整幅を決めた理由なども説明する予定だ。
燃料価格値下がりは09年以降では初めてだ。値下げ分は配送業者の取り分その他の経費にも食われるため、消費者価格の低下はPBが予想したリット当り5センターボではなく、3センターボ程度となる見込みだ。
ルーラ政権や第1期ジウマ政権では、原油の国際価格が上昇したのに、国内の燃料価格はインフレ抑制のため、国際相場より低く抑えられていたため、PBの財政は大きく悪化した。
15年2月のアウデミル・ベンディネ総裁就任後は原油の国際価格が下がったが、PBはそれ以前の損失分を埋める必要があり、燃料価格を下げる事ができずにいた。
輸入業者や大手消費者がこの時期により廉価な燃料入手に務めたため、PBのシェアは縮小。景気後退で需要が減った事もあり、価格政策変更を余儀なくされた結果が今回の燃料値下げだ。今回の燃料価格値下げには現政権による政治的介入はなかったという。
市場は今回の発表を歓迎し、14日のPBの株価は3%上昇した。ブラジル・インフラ・ストラクチャー・センターのアドリアノ・ピーレス理事は、国内の燃料価格はガソリンで12%、ジーゼルは22%も国際価格より高いと見ており、値下げ継続の可能性が高い。
燃料価格値下げは運送費その他、様々な分野に影響を及ぼすため、インフレ減速や経済基本金利(Selic)引下げへの期待が高まっている。