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BRICS=テメルが経済再建強調=インフレ抑制を好材料に=参加国に投資を呼びかけ=会議ではテロ対策が話題に

BRICS会議でのテメル大統領(Beto Barata/PR)

BRICS会議でのテメル大統領(Beto Barata/PR)

 16日、インドのゴアでBRICS首脳会議が行われた。テメル大統領はこの席上、中国、インド、ロシア、南アフリカの首脳に対し、ブラジルが経済再建に取り組んでいることをアピール。前向きに事が進み始めていることを強調し、参加国にも協力を求めた。16日付現地紙サイトなどが報じている。

 テメル大統領は、自身初となるBRICS会議で、ジウマ政権崩壊後、自政権が経済再建に向けて努力していることをアピールした。
 同大統領は、10日に下院で初回承認を果たした憲法改正法案241号(PEC241)により、財政支出削減を推進することを強調し、福祉再編も行うことでブラジルの財政を根本的に見直し、経済再建を図ることを各首脳に主張した。
 テメル大統領は、「財政責任」という言葉を頻繁に使ったが、これはジウマ前大統領が罷免された際に直接的に問われた罪状でもある。
 また、経済再建への好意的な兆しとして、今年9月の公式インフレ率が1998年以来最小値を記録したことも強調した。
 「インフレは景気後退の兆候として我々が常に危惧しているものだが、現政権の初期段階の経済政策でこれが抑制された」と大統領は語り、「私たちは官民共同の投資プログラム(PPI)の発表を行ったばかりだ。私たちは空港、港湾、鉄道、高速道路、エネルギー部門など34のプロジェクトを抱えている」と語り、BRICS諸国に対し、投資参加を呼びかけた。
 BRICS5カ国は現在、世界の国内総生産(GDP)の4分の1を占めているが、今回の会議では、それをさらに伸ばして行くことで意見が一致した。5カ国間の具体的な貿易対策などは講じられなかったが、「新開発銀行(BRICS銀行)で協力しあうことが不可欠になってくるだろう」とテメル大統領も発言した。
 今回の首脳会議では、経済の話だけではなく、テロ対策の議論も白熱した。それは9月にインド国境付近のカシミール地方でテロが発生したことを受けたものだ。今回の会議の宣言文には反映されていないが、インドのモディ首相は中国の同盟国であるパキスタンを名指しすることを避けつつも、「テロの元凶は隣国にある」と述べて批判した。
 テロ対策として、ロシアのプーチン大統領は、5カ国でテロの危険性に関する情報を互いに共有しあうデータ・バンクの設立を提案した。
 テメル大統領はこれに関し、「国連安全保障理事会の再編が必要だ」との見解を示した。ブラジルは同理事会の常任理事国の枠が拡大されれば名乗りを上げたいとの考えがある。
 なお、テメル大統領は17日もモディ首相と個別に首脳会議を行い、医薬品や農牧業部門での合意書を取り交わした後、日本に向けて旅立った。